2018年12月22日(土)
医大入試差別 大学名公表、臨時定員増など要求
小池書記局長らが文科相に
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日本共産党の小池晃書記局長は21日、全国の医学部・医科大学入試での女性や浪人回数の多い受験生への差別は重大だとして、国会内で柴山昌彦文部科学相と面会し、大学名公表や被害救済、今後の差別防止や医学部の臨時定員増などを要求しました。畑野君枝衆院議員、吉良よし子参院議員が同席しました。
小池氏は、医学生有志が「緊急アピール」を出すとともに入試差別をなくす署名に取り組み、文科省に1万4884人分を提出し、賛同者は急速に増え続けていると強調。「学生らの主張は至極もっともだ。ぜひこれを受け止めて対応すべきだ」と求めました。
その上で、不適切入試が疑われる大学名の公表、各大学での第三者委員会設置などによる事実確認、不当な得点操作で不合格となった受験生への得点開示や追加合格、金銭的補償などの救済措置を速やかに講じるよう要求。さらに、この間の追加合格63人分について、来年度の医学部入学定員を削減することはやめ、他の大学も含めた臨時定員増で補うよう要求しました。小池氏は、「何の責任もない来春の受験生が被害を受けるのはあまりに理不尽だ」と指摘しました。
柴山氏は、入試差別が確認された大学名は公表済みだとしつつ、各大学に相談窓口を設けさせたほか、入試差別が疑われながら第三者委員会設置を拒否している聖マリアンナ医科大には引き続き同委設置と調査を求めていく考えを明らかにしました。
さらに、来年春をめどに、公正な入試を確保するための新ルールを策定する方針も示しました。
柴山氏は、「受験生の不安感を少しでも緩和しなければならない」としながら、医学部の定員は医師の需給に基づいて閣議決定で決めていることや、来年の受験までの時間が限られていることを理由に、「特例的な(臨時)定員増は困難だ」との後ろ向きな姿勢を示しました。
小池氏は、「『特例』こそ必要だ。閣議決定で緊急措置として定員増を行うべきだ」と重ねて強く要求しました。
小池氏は同日、厚生労働省の吉田学医政局長にも要請しました。