2018年12月9日(日)
辺野古 活断層の“痕跡”
現地調査の専門家が指摘
テント目前の段丘に
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米軍の辺野古新基地建設反対を掲げて、五千数百日をこえる日々を迎える監視テントの目前に、予定地で存在が疑われる活断層の“痕跡”が存在していました。沖縄県は埋め立て承認の「撤回」理由の一つとして、活断層の可能性がある辺野古断層の存在をあげています。“痕跡”は、辺野古断層の地震によって隆起したとされる「段丘」です。現地調査した地質の専門家グループが指摘しました。
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指摘したのは立石雅昭新潟大学名誉教授(地質学)と応用地質研究会関係者ら4人。6、7の両日、新基地のV字形滑走路地下を貫く辺野古断層、北側の大浦湾に突き出す護岸に沿って海底に迫る楚久(そく)断層の陸上部分を実地調査しました。
“痕跡”は、建設予定地で国の動きを監視する座り込みテントからみて、右手の浜沿いに続く段丘です。
防波堤から段丘を見つめていた立石教授がきっぱりと言いました。
「岩肌が連続して黒くえぐられているのは波食ノッチ(くぼみ)で、しかも隆起している」
くぼみは波で岩石がえぐられる現象。縄文中期(5000年から6000年前)の温暖な気候のもとで、平均海面が現在よりも2メートルほど高い時につくられた、くぼみが岩肌の中腹の高さにみられます。
隆起は、北側を南西に走る辺野古断層の地震によるもので、同断層の北側が沈み、南側が隆起したものと考えられるといいます。調査団は、「隆起は1メートル以上で、地震は複数回発生したとみられる。辺野古断層は活断層の可能性がより強まった」と指摘しました。
調査に同行した土木技師の奥間政則さんは「地質学の専門家の調査は普通に見える風景の中から特徴を探し、断層との関係を解明してくれてとても力強い」と語ります。同調査団は来年3月にも本格的な調査を予定しています。(山本眞直)