しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年11月24日(土)

消費税10%増税中止の一点で共同広げ阻止を

各界連署名行動 小池党闘争本部責任者の訴え

 日本共産党・消費税10%増税阻止闘争本部の小池晃本部責任者は、22日にとりくまれた消費税廃止各界連絡会の署名宣伝行動に参加し、消費税10%増税中止の一点での共同を広げ、増税を阻止しようと呼びかけました。要旨を紹介します。


写真

(写真)訴える小池晃・日本共産党闘争本部責任者=22日、東京・新宿駅西口

くらしも景気も壊す消費税増税

 8%への増税が行われてから4年半、消費は冷え込んだままです。

 総務省の家計調査を見ると、2014年4月の消費税引き上げ以来、ひと月たりとも、増税前を上回ったことがありません。年間の家計消費は、1世帯当たり約25万円も減りました。毎月2万円以上、お買い物をしなくなったのです。

 8%増税でこれだけ消費が冷え込んだのに、10%などとんでもありません。くらしも景気も壊す消費税10%増税は、きっぱりと中止させましょう。

 安倍首相は、「万全の対策をとる」と言っていますが、増税中止こそ万全の対策です。

 「万全の対策」の中身もひどい。中小商店でカードを使って買い物をしたら、期間限定でポイント還元。カードを扱っていない中小商店にとっては、支援どころか大迷惑です。

 参院予算委員会でそのことを指摘したら、世耕経済産業相は、「レジを閉めてお金を数えるのは大きなコスト」「キャッシュレス化で中小事業者の生産性を高める」と言いました。余計なお世話です。

 「プレミアム付き商品券」という話も出ています。これは「新たな消費を喚起しない」と、政府も効果に乏しいことを認めている愚策です。

 新聞報道によれば、消費増税への対策費用は2兆円を超えるとのこと。景気が心配で、増税分を戻すぐらいなら、増税しなければいいじゃありませんか。

複数税率で混乱中小業者は危機

 「軽減税率」というのも、「看板に偽りあり」です。今より税率が下がるわけではない。食料品だけ据え置くのですから、せいぜい「据え置き税率」です。

 しかも、これがめちゃくちゃ、ややこしい。たとえばハンバーガー店で「お持ち帰り」なら8%、店内で食べたら10%。リポビタンDは医薬部外品だから10%、オロナミンCは飲み物だから8%。複数税率は大混乱を生むでしょう。

 しかも大問題が、複数税率で必要になる「インボイス」。インボイスという請求書を発行しなければ、業者は仕入れにかかった税額控除が受けられません。インボイスには税務署が出す番号が必要になるので、課税業者にならなければなりません。

 多くの中小零細業者は免税業者ですが、インボイスを発行するためには、課税業者にならなければいけない。500万といわれる免税業者が、存亡の危機に立たされます。

 日本商工会議所など、消費税増税に賛成の団体も、インボイス導入反対の声を上げています。問題だらけの増税は、ストップさせるしかありません。

 安倍首相は「社会保障のためだ」といいますが、休み休み言っていただきたい。財務省は何をやろうとしていますか。参議院選挙が終わったら、医療も介護も大改悪。75歳以上の医療費を原則2割負担にするとか、介護保険は、要支援だけではなく、要介護1も要介護2も介護保険制度から外すと言っている。要介護認定された人の65%が介護保険から除外されるのです。高い介護保険料を払わせて、介護が必要になっても65%の人が介護保険を使えない。国家的詐欺というしかない。「消費税上げて年金下げる」なんて、江戸時代の悪代官でもやらない、ひどいやり方です。

大企業法人税を中小企業並みに

 「財源がないのでは」とご心配の向きもあるでしょう。

 でも、来年度予算で軍事費は6年連続増額で5兆5000億円。1基2000億円を超えるイージス・アショア、1機150億円のF35ステルス戦闘機とか。見直すべきではないでしょうか。

 金持ち優遇も、見直すべきです。所得税というのは、所得が多ければ多いほど税率が高くなるはずです。ところが、所得が1億円を超えると負担率がだんだん下がってしまいます。カルロス・ゴーンのような大金持ちは、株の配当や売り買いの所得が多いので、逆転現象が起こるのです。この証券優遇税制をただせば1・2兆円の財源が生まれます。

 アベノミクスのもとで大企業の利益は過去最高になり、内部留保は400兆円を超えました。この力を、賃上げや設備投資、下請け中小業者にまわすことこそ「経済の好循環」です。

 今こそ、大企業にしっかり力を発揮してもらう時です。大企業が負担している法人税の実質税率は10%。ところが中小企業は18%です。大企業優遇をやめて、せめて中小企業並みの法人税を求めれば、4兆円の財源が生まれてきます。消費税増税など必要ありません。

 増税するなら、アベノミクスでさんざんもうけた富裕層。そして大企業にたいする行き過ぎた減税もやめれば、日本の経済も財政も立て直せます。

 国会でも野党が結束して、10%への増税許さないためにがんばります。力を合わせましょう。


pageup