2018年11月24日(土)
“核兵器禁止条約は人類に貢献”
被爆者サーロー節子さん 広島の母校で講演
廃絶へ粘り強く働きかけよう
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核兵器禁止条約に向けて、被爆の実相などを国連で訴えてきたカナダ・トロント在住の被爆者、サーロー節子さん(86)は23日、広島市の母校の広島女学院大学で特別講演し、核兵器廃絶の思いを語りました。1000人が耳を傾けました。
同校の湊晶子院長はあいさつで、「平和はどこかからやってくるものではありません。私たち一人ひとりがつくりだすものだ」と述べ、戦争・被爆体験を若い人へ継承する意義を語りました。
節子さんは、13歳のときに被爆した体験を語り、被爆者やNGO団体など市民社会が反核運動を粘り強く続けてきた結果、2017年に核兵器禁止条約が採択されたことを紹介。「この条約は、人類全体に貢献するもの」と述べました。しかし、唯一の被爆国である日本政府は、米国に追随し、被爆者を裏切り続けていると批判しました。
原爆が投下されたあの日、「諦めず、動き続けろ。押し続けろ。光が見えるだろ。そこに向かってはっていけ」とガレキのなかでかけられた言葉を引いて、核兵器禁止条約はできたけれども、核兵器廃絶まではまだ道のりがあると指摘。禁止条約という光に向かって粘りづよく、働きかけることを呼びかけました。
講演後、会見した節子さんは、若い人たちへのメッセージとして「核の問題は、いま生きている人間だけではなく、子や孫の人生を確保する問題」と語り、行動することを重ねて呼びかけました。