2018年11月20日(火)
労働法令違反が多数
「聴取票」の写し閲覧 野党は開示を要求
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外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改定案をめぐって、衆院法務委員会理事会メンバーは19日、法務省が昨年、失踪した外国人技能実習生から聞き取った2870人分の「聴取票」(個票)の写しを閲覧し、記者会見しました。閲覧した聴取票からは、最低賃金法や労働基準法に違反する事例が多数あることが新たに判明。法務省が16日に発表した聴取票の集計に、これらの違反事例が反映されていない疑いも浮上しています。(関連記事)
閲覧後、記者会見した野党議員は、聴取票の提出を拒否し、「閲覧」にとどめる政府・与党の姿勢を厳しく批判しました。
日本共産党の藤野保史議員は「聴取票は国会が付帯決議で制度の改善のために求めた資料であり、当然開示すべきものだ」と主張。「閲覧された聴取票の中身を見ても開示できない理由は何も見当たらない。聴取票を見て初めてわかった重大な事実もあった」として、重ねて開示を迫りました。
さらに、山下貴司法務相が「捜査に与える影響」を理由に開示を拒否し、失踪の動機を「より高い賃金を求めて」と答弁してきた根拠が崩れたことは重大だと指摘し、答弁の撤回を求めました。
立憲民主党の山尾志桜里議員は「(政府が技能実習生の)受け入れ側の不正を把握していながら、それが表ざたになることを阻止しようとしていると思わざるをえない」と、個票の提出拒否を批判。国民民主党の山井和則議員は「労基法違反、最低賃金法違反がわかった以上、隠ぺいはやめてもらいたい」と強調し、無所属の会の黒岩宇洋議員は「入管局は法律違反の事実を知りながら、摘発していない。それが個票を出したくないことの理由の一つだと思う」と指摘しました。