2018年11月18日(日)
茨城県議選 30日告示 共産党前進が止める力
東海第2再稼働 重大争点
茨城県議選(30日告示、12月9日投票)で、東海第2原発(東海村)の再稼働・運転延長を許すかどうかが重大な争点となっています。県議会で唯一、原発の危険性を追及し、県民の声を届ける日本共産党が前進すれば、再稼働ストップの大きな力となるとともに、再稼働路線を進める安倍政権への痛打ともなります。
30キロ圏96万人 避難計画不能
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日本原子力発電の東海第2原発は、28日に運転開始から40年を迎える老朽原発です。原子炉等規制法で原発の運転期間は最長40年と定められていますが、規制委は7日、同原発について、同法で1回に限って認められている20年の運転延長を認可しました。
同原発は、東日本大震災で外部電源が喪失し、非常用ディーゼル発電機が水没するなど被災した原発。さらに、重大事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型であり、いずれの原発としても運転延長の認可は初めてです。
原電は防潮堤建設やケーブルの防火対策などの対策工事を2021年に完成させ再稼働する予定ですが、老朽化し、被災した同原発の再稼働には強い批判が集まっています。
しかも、同原発の30キロ圏内には、約96万人が住み、人口密集度は全国一。30キロ圏内で必要とされる避難計画を実効性ある形で作成することは不可能です。
県は、過酷事故時に県バス協会に約3000台のバスと運転士の提供を要請するとしています。しかし、同協会は6日、懇談した共産党県議団に対し「3000台もの提供は不可能」「放射能が出た場合は対応できない」と回答し、県にも伝えていることを明らかにしました。避難計画の前提が崩れています。
県民の7割と34議会が反対
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東海第2原発の運転延長・再稼働に、県民の大多数がきっぱり反対しています。昨年8月の県知事選の時にNHKが行った調査では、再稼働反対が76%に。どの調査でも、県民の7割が反対の意思を示しています。
県内44の自治体のうち、8割近くの34議会が、再稼働反対の意思を示しています(地図)。このうち30キロ圏内で、県都の水戸市をはじめ29議会が、運転延長や再稼働に反対の意見書・決議を可決。同じく30キロ圏内の常陸太田市など5議会で趣旨採択(採択はしないが、請願趣旨には賛同する)しています。
県民世論を背景に、再稼働反対を表明する市町村の首長も、11人に広がっています。
県内2番目の人口を有するつくば市の五十嵐立青(たつお)市長は「(過酷事故が起きたら)市民を守れないし、避難者への対応もしきれない」と、反対を表明しています。
今年3月には、全国で初めて、立地自治体だけでなく周辺自治体も含め、原発再稼働には自治体の事前了解を必要とする内容の安全協定が、原電と、東海村、日立、ひたちなか、那珂(なか)、常陸太田(ひたちおおた)、水戸の各市の計6自治体との間で結ばれました。
この事前了解権を持つ自治体で初めて、那珂市の海野徹市長は10月22日、反対を表明しました。海野氏は本紙のインタビュー(13日付)に対し、避難計画の策定は不可能だとして「原発を再稼働しないで廃炉にしていただくのが、われわれが選択・要望する唯一の方向です」と語っています。
9日には、事前了解権を持つ6市村の首長が集まり、「6市村のうち一つの自治体でも了解できなければ、再稼働できない」との認識で一致しました。
共産党一貫 自民は世論軽視
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県民の7割以上は、東海第2原発の再稼働に反対。ところが、オール与党の県議会は、圧倒的多数が原発推進派で占められています。一貫して再稼働に反対し、廃炉を求めているのは共産党だけです。
16年6月21日の本会議で、県民が提出した「東海第2原発の廃炉を求める意見書」に賛成したのは共産党だけ。自民、公明などは反対し、否決しました。共産党の江尻かな県議は賛成討論で「安全を保障できない無謀な再稼働や運転延長はやめるべきです」と主張しました。
共産党は、被災し、老朽化した東海第2原発の危険性、事故時の避難計画の実効性のなさなどを追及。9月の県議会一般質問では、上野たかし県議が大井川和彦知事に「本県が原発をやめると、なぜ決断できないのか」と迫りました。
一方、自民党は、再稼働に反対する県民世論や自治体を軽視し、原発安全神話にしがみつく発言を繰り返しています。
共産党県議団の山中たい子団長は「福島の原発事故の教訓は、二度と事故を繰り返してはならないということではないでしょうか。県民世論の力と、県議選での共産党の勝利で、廃炉の決断を勝ち取りたい。そのために、どうか、お知り合いの方に支持を広げてください」と訴えます。