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2018年11月14日(水)

教員変形労働盛る

文科省骨子案 懸念・疑問相次ぐ

中教審部会

 文部科学省は13日、公立学校の教員の長時間労働の是正について議論している中央教育審議会特別部会に、1年単位の変形労働時間制を盛り込んだ「答申骨子案」を提出しました。連合の相原康伸事務局長が「導入する環境にはない」と反対を表明するなど、懸念や疑問の声が相次ぎました。

 1年単位の変形制は業務の繁閑に合わせて労働時間を調整するもの。現在、教員を含む地方公務員には適用できません。文科省はこれまで部会に、夏休みなどの長期休業期間の労働時間を短縮し、その分の労働時間を学期中に割り振るイメージを示しています。

 同日の部会では、他の委員からも「1日、1週間の勤務時間で見ていかないと先生たちは力尽きてしまう」(嶋田晶子・武蔵野市立第五小学校長)との懸念や、長期休業期間中の休みが本当に確保できるのかといった課題を指摘する意見が出されました。導入に賛成の委員からも「残業時間を認めないなどの手当てが必要だ」(稲継裕昭・早稲田大学教授)との注文がありました。

 佐古秀一・鳴門教育大学副学長は長時間労働是正の前提として「現状の教職員の配置でやっていけるのか」と指摘。今後の検討課題として教職員の適正な数について議論するよう求めました。妹尾昌俊・学校マネジメントコンサルタントも、教員の担当する授業数に上限を設定することと、それに伴う教員定数の改善が必要だと主張しました。(関連記事)


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