2018年11月3日(土)
日銀 ETF購入最高
10月 株価下落で買い支え
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日銀による株価指数連動型上場投資信託(ETF)の購入額が10月は8700億円となり、1カ月の購入額として過去最高になりました。一方、同期間の株価の下落幅は第2次安倍晋三政権発足以来、最大です。株安の中で、なりふり構わず公的マネーを投入し、株価を買い支えている安倍政権の姿がますます鮮明になってきました。
ETFは、多数の企業の株式を組み合わせ、価格が日経平均やTOPIXなどの株価指数に連動するようになっている投資信託です。ETFの購入は、間接的に株式を保有することになります。日銀はこれまでも、株価が下がる局面でETFを買い入れ、株価を下支えしてきました。
10月は、米国と中国の貿易摩擦による将来への不安から米国で株価が下落。世界同時株安となり、日本でも株価が大きく下がりました。日経平均株価の10月1カ月の下げ幅は2200円で、リーマン・ショック直後の2008年10月以来10年ぶりの下落となりました。東証1部上場企業の株式時価総額は9月末から64・4兆円も減少。1カ月の減少幅では史上4番目です。
日銀は、株価が下がるたびにETFを購入、10月の営業日22日間のうち12回、1回につき700億円余の買い入れを実施しました。
日銀は年間6兆円のペースでETFを買い入れることを方針としていますが、7月末の政策決定会合で「市場の状況に応じて、買い入れ額は上下に変動しうるものとする」と修正し、株価次第でETF購入が6兆円にとどまらないことを示唆しています。株式市場が公的マネーでゆがめられる事態が、ますます進みそうです。