2018年10月19日(金)
憲法99条違反、憲法私物化の安倍政権に憲法論じる資格なし
臨時国会で憲法審査会動かすな 志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は18日、国会内で記者会見し、臨時国会(24日召集)に自衛隊明記の9条改憲を含む自民党改憲案を提出するとの安倍晋三首相の表明について、「もとより改憲には反対だ」としつつ、改憲の内容以前の問題として、憲法99条の憲法尊重擁護義務違反に加え、憲法を私物化している安倍内閣には「憲法を論じる資格はない」と厳しく批判しました。
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志位氏は、この間の安倍首相による9条改憲への暴走は「常軌を逸している」と強調。首相が9月の自衛隊高級幹部会同や今月14日の観閲式で9条改憲を事実上宣言したのは、「自民党総裁としてではなく、内閣総理大臣としての発言であることは明瞭だ。政治的中立性が最も厳格に求められる実力組織である自衛隊に、その最高指揮官の内閣総理大臣が持論である改憲の号令をかけるなど、自衛隊の最悪の政治利用であり、自衛隊を自らの私兵として扱うような態度だ。絶対にやってはいけない異常な暴走だ」と批判。「閣僚の憲法尊重擁護義務を規定した憲法99条違反であることは明瞭だ」と強調しました。
志位氏は、安倍首相が昨年5月に改憲宣言をしたもとでも、同会同(昨年9月)の訓示では改憲発言をしていなかったと指摘。「今年はまったく抑えがきかなくなっている。これは一種の焦りだと思うが、大変に危険な状況だ」と警鐘を鳴らしました。
また志位氏は、この間の報道各社の世論調査で、秋の臨時国会への自民党改憲案提出に「反対」が多数だと紹介し、「国民は今度の臨時国会で改憲を進めることなど誰も望んでいない。国民が誰も望んでいないところで、政権与党・内閣総理大臣がひとり、改憲へ暴走するというのは、憲法の私物化だ」と厳しく批判しました。
その上で、「憲法99条を平気で破るような政権に、憲法審査会で憲法を論じる資格はない」と強調し、臨時国会で憲法審査会を動かすべきではないと主張しました。
志位氏は、憲法審査会を動かせば「必ずそこに自民党は改憲案を提起し、ずるずると改憲議論を始めることになる。憲法審査会を利用するということになる」と指摘し、「しかし、そんなことをする資格はこの内閣にはない。憲法審査会を動かさない、この点で野党が力を合わせて今国会をたたかいたい」と意気込みを語りました。