しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年10月18日(木)

米政府 対日交渉開始 議会へ通告

「TAG」の用語なく包括的協定狙う

 米国のトランプ政権は16日、日本との新たな貿易協定の交渉を開始する意向を議会へ通告しました。ライトハイザー米通商代表(USTR)の議会あて書簡は、「日米貿易協定の交渉を開始する」としており、日本政府が使用している「物品貿易協定(TAG)」との用語は使用されていません。同時に書簡は、交渉によって、自動車や農産物の物品分野だけでなく、サービス、投資を含んだ広範な分野での成果を求めています。

 書簡は対日貿易について、「自動車、農業、サービスといった主要な分野の輸出が何十年も多様な関税と非関税障壁に阻まれ、慢性の対日貿易不均衡をもたらしてきた」と不満を表明。その上で、「米国と日本は、両国間の貿易と投資のいっそうの拡大を望んでおり、強力で安定した互恵の貿易・経済関係の重要性を認めている」と、広範な分野で交渉する意図を示しました。書簡は、新たな日米貿易協定が物品貿易に限らない、サービスや投資までも含む包括的な貿易協定であることを示しています。

 「これまで日本が結んできた包括的なFTA(自由貿易協定)とは、全く異なる」とする安倍晋三首相の説明がごまかしであることが改めて明らかになりました。

 書簡は対日交渉の狙いについて、「関税および非関税障壁の双方に取り組み、議会が貿易優先権説明責任法102条で設定した目的に則した方法でより公平でバランスのとれた貿易を実現する」としました。同法102条は広範な分野の交渉を求めています。

 この通告により、日米貿易協定の交渉が来年1月中旬にも開始される見通しとなりました。


pageup