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2018年10月16日(火)

主張

安倍改憲・増税発言

自説の固執が政治家の責任か

 自民党総裁3選、党・内閣人事後の、安倍晋三首相の暴走が、いっそう激しさを増しています。14日の自衛隊最大行事の一つ、観閲式で、「政治家の責任」とまで言って憲法9条に自衛隊を明記する改憲の執念を示したのに続き、15日には臨時閣議を開いて来年10月からの消費税増税を改めて表明しました。9条改憲も消費税増税も国民多数が反対しているだけでなく、与党や支持勢力の中にも批判がある首相の持論です。自説への固執が「政治家の責任」なのか。安倍政権を退陣に追い込み、改憲も増税もやめさせることが重要です。

国民は支持していない

 自衛隊の観閲式で9条改憲を表明した安倍首相の訓示は、閣僚の憲法尊重擁護義務も実力組織である自衛隊の政治的中立原則も踏みにじる、言語道断な発言です。首相は「全ての自衛隊員が、強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは、今を生きる政治家の責任だ」と言いました。首相は今の自衛隊員が、誇りを持って、任務を全うしていないとでも言うのか。憲法9条に自衛隊を明記する改憲は、安倍首相が昨年の憲法記念日に突然言い出したものです。憲法に自衛隊を明記すれば、戦力不保持・交戦権否認の9条2項が空文化・死文化し、自衛隊の無制限の武力行使に道を開くことになります。

 9条改憲の強行は、最新のJNNの世論調査でも52%が改憲案の国会提出に反対しているように、多くの国民が支持していません。自民党内でも正式決定できず、改憲案を発議する国会の憲法審査会では一切審議されていません。その改憲案を臨時国会に提示し、自民党総裁の任期中に強行しようと狙っているのが安倍首相です。「自衛隊員の誇り」を持ち出して自説を押し通す、首相の企てを許すことはできません。

 安倍首相が臨時閣議まで開いて強行を確認した消費税増税も、国民の消費や景気に与える影響が大きいことから、これまで安倍政権でさえ2回にわたって延期してきたものです。前回の増税の影響で消費不況が長引く中で強行すれば、暮らしと経済に重大な打撃を与えることは明白です。食料品などの税率を据え置く「軽減税率」の導入も、低所得者ほど負担が重い逆進性の緩和にも貧困と格差の解消にも役立たず大混乱を招くだけです。住宅や自動車への減税は一部の大企業を喜ばすものです。

 だいたい臨時閣議で首相が指示した消費減「対策」として巨額の資金を投じながら、増税するというのは矛盾です。首相の狙いは来年春の統一地方選や夏の参院選を控えて、早めに打ち出して国民の反発をかわそうという思惑でしょうが、そんなことで国民はだまされません。

破綻した政権の退陣を

 日本共産党の志位和夫委員長は14日の第5回中央委員会総会の結語でこうした動きにふれて、安倍首相が狙う改憲と消費税増税をめぐる「激しいたたかいが本格的に始まる」と表明しました。

 安倍首相に9条改憲と消費税増税への固執をやめさせるとともに、国民運動の力、市民と野党の共闘の力、そして日本共産党の躍進によって、退陣に追い込むことが必要です。破綻した安倍政治を終わらせ、希望ある新しい政治を切り開くため力を尽くすときです。


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