しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年10月2日(火)

きょうの潮流

 沖縄民謡の歌い手、古謝美佐子さんが坂本龍一さんと共作した「弥勒世果報(みるくゆがふ)」。坂本さんの原曲を沖縄の言葉で歌い上げたなかに、こんな一節があります▼「人ぬ秀(しゅ)らさ 肝持(ちむむ)ちぬ秀らさ 肝心(ちむぐくる)玉ぬ命 玉ぬ命」。ウチナーンチュの優しさや心の美しさは宝の命と同じ。他者の痛みに寄り添い、助け合うチムグクルの精神は今も沖縄の根底に流れています▼「ひとりも取り残さない、チムグクルの政治を実現したい」。知事選のなかで玉城デニーさんは何度も口にしました。辺野古反対の断固とした決意とともに、その訴えは県民の心を結びました▼悪天候にもかかわらず過去最多の得票で当選。若者たちと喜びの舞を踊り、子を抱く女性とハイタッチする姿は、掲げた新時代沖縄の到来を感じさせました。市民との集いでギターを手にロックを熱唱し、人びとのもとに気さくに飛び込んでいく。戦後の沖縄を背負いながら、明るくたくましい生き方に共感の輪が広がりました▼安倍政権あげての激烈な選挙戦でまたも明快な民意を示した「オール沖縄」。しかし政府は新基地建設に「変わりはない」と。どれだけ国民を見下し、民主主義を軽んじるのか▼住民の反対をよそに、きのうオスプレイが横田基地に正式配備されました。「マキテェーナイビランドー(負けてはいけません)」。命を削ってたたかった翁長前知事の遺志をうけつぎ、誇りある豊かな未来に道を切り開いたデニーさんと沖縄県民。それは全国に勇気と励ましをもたらしました。


pageup