2018年9月28日(金)
日米、貿易協定で交渉開始
首脳会談 事実上のFTA
【ニューヨーク=池田晋】安倍晋三首相とトランプ米大統領は26日(日本時間27日)、ニューヨーク市内で会談し、日米2国間の貿易協定に向け交渉を開始することで合意しました。トランプ氏は会談の冒頭、日本政府が長年応じてこなかった交渉にこぎつけたことを喜び、「満足のいく成果が得られると確信している」と述べました。
会談後、発表された共同声明では、トランプ大統領は対日貿易赤字を削減することの重要性を強調。必要な国内調整を経た後に、「日米物品貿易協定(TAG)」、「他の重要分野(サービスを含む)で早期に交渉結果を出し得るもの」について交渉を開始すると明記。その議論の完了後に「他の貿易・投資の事項についても交渉を行う」としています。
ライトハイザー米通商代表は同日、「大統領は環太平洋連携協定(TPP)に再加入する気はない」と記者団に指摘。貿易促進権限法に基づく議会承認を得る本格的な貿易協定を想定していると説明しました。米メディアは、世界第1位、第3位の経済規模を持つ日米が自由貿易協定(FTA)の交渉で合意したと報じています。
一方、安倍首相は会談後の会見で、日本の農林水産品の関税引き下げについてはTPPの内容を「最大限尊重してもらう」とし、「日本が結んできた包括的なFTAとは全く異なる」と語りました。
両首脳は、18~20日の南北首脳会談を受けた今後の北朝鮮問題をめぐる対応についても協議。安倍首相は、トランプ氏が準備を進める米朝首脳の再会談について「当然(非核化で)大きな進展がなければならない」と述べました。
また安倍首相は会見で、「拉致問題の解決のため、私も相互不信の殻を破り、金正恩(キムジョンウン)(国務)委員長と向き合わなければならないと考えている」と強調。「これを行う以上は問題解決に資する会談にしなければならない」と述べました。