2018年9月21日(金)
北海道地震2週間
899人避難所生活 被害額1500億円
断水・生活再建 募る不安
北海道地震の発生から20日で2週間が経過しました。道によると、いまなお厚真町や安平町など5市町21カ所の避難所で899人(20日午後3時現在)が避難所生活を送ります。高橋はるみ知事は20日の道議会で、道路・橋などの公共土木関係と農林水産業の被害合計額が1500億円に上るとの見通しを示しました。
厚真町で聞く
北海道地震で道内で初めて震度7を観測した厚真町で、現在も避難生活を余儀なくされている人たちの思いを聞きました。
ルウラル地区で1人暮らしをしている女性(80)は着の身着のまま厚真中学校に避難。「腰の状態が悪いのが一番の悩み。災害が自分の身に降りかかってきて、その現実を受け止めようとするけど心はパニック状態です」と話します。
地震が起きたとき「ベッドごとぐるぐる回されているような感覚だった」と振り返る武藤さん。「家に帰っても一人だから、また同じような地震が起こったらどうしよう」と不安をもらします。
自宅庭に亀裂
会社員の男性(63)は妻と石川県から応援にきた娘の3人で避難所生活を送り、昼間は家の片付けに追われます。自宅の庭に地震による亀裂が走り、住宅の一部は深さ40センチほど落ち込んでいるところも見られます。男性は「家財道具など生活をもとに戻すための金銭面が心配。今は前向きに考えるしかない」と肩を落とします。
同町では現在も約450人が避難所生活を続けていますが、自宅で避難を続ける人たちも少なくありません。
ルウラル地区の男性(59)=自営業=もその一人。浅野さんの住宅は大きな被害はありませんでしたが、同地区は現在も断水が続いており、給水所でタンクに水をくんでいるといいます。
お年寄り心配
「2週間がたち、お年寄りの健康が心配です。災害発生時に人命救助と平行しながら道路の復旧や避難所内の設備にも手を回すことができれば、被災者の負担はもっと軽減できるのでは」と指摘します。
同町では地震による土砂崩れで浄水場が埋もれ、一時は2千戸以上で断水。水道管の破損調査や通水作業が行われていますが、一部の区では生活用水で使えても飲用できない制限があり、現在も315戸で断水状態が続いています。
(原千拓)