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2018年9月18日(火)

米IT4社 独占的地位

ライバル社買収繰り返す

EU対抗措置

 「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる米国の巨大IT(情報技術)企業4社が、独占的な地位を築いています。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4社の頭文字をつないだ造語です。競合他社の買収を繰り返し、世界の市場を席巻しています。(斎藤和紀)


 グーグルは検索サービス、アップルはスマートフォン端末、フェイスブックはインターネット交流サイト(SNS)、アマゾンはネット通販の分野で市場を独占しています。

 アイルランドの調査会社スタットカウンターによると、世界の検索ソフト市場の9割をグーグルが占めています(8月時点)。携帯端末の基本ソフト(OS)では、全世界でグーグルが77%、アップルが20%を占めており、2社の寡占状態です。フェイスブックは月に1回以上サービスを使う利用者が世界で22億3000万人(6月末時点)に上ります。ツイッターは2017年12月末時点で3億3000万人であり、大きく水をあけられています。

競争の芽を摘む

 GAFAが市場を支配する背景の一つに、ライバル企業の買収があります。

 アマゾンは、米国のアパレル専門ネット通販「ザッポス・ドットコム」や英国の書籍専門ネット通販「ブック・デポジトリー」など急成長していた競合他社を買収。02年以降少なくとも10のオンライン小売り事業者を買収しています。電子書籍の分野でもアマゾンの電子書籍リーダー「キンドル」に対抗するレックスサイクル社の「スタンザ」を買収しました。

 フェイスブックは、12年に利用者数を大きく伸ばしていた写真共有サイト「インスタグラム」を約10億ドルで買収しました。同サービスを月に1回以上使う利用者は世界に10億人に上ります(6月時点)。親会社のフェイスブックと合わせると利用者数は30億人を超えます。GAFAは、将来的にライバルになりそうな企業を豊富な資金で買収し、競争の芽を摘んできたのです。

異議告知書送る

 世界の市場を独占するGAFAに対して、欧州は対抗姿勢をとっています。16年7月に欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は、グーグルの広告事業について異議告知書を同社に送付。同社が、ウェブサイトを運営する第三者に対し同社の競合他社の検索広告を調達しないように要求していたと指摘しました。7月に欧州委員会は、グーグルが携帯端末向けのOS「アンドロイド」を利用して競合他社を排除することで、自社の検索ソフトの支配的な地位を強固にしたと指摘。競争による利益をヨーロッパの消費者が得られないとして、43億4000万ユーロ(約5700億円)の制裁金の支払いを命じました。


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