2018年9月13日(木)
北海道地震
家屋被害 証明書窓口に次々
住む場所を もうすぐ冬 炊き出しラーメン 笑顔
厚真町
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北海道地震の被災地厚真町で12日から、罹災(りさい)証明書の申し込みが始まりました。同町調べで居住家屋の全壊31棟、半壊32棟、一部損壊27棟と、納屋などを含めて220棟が被害を受けました。
午前10時の受付開始時刻には、次々と窓口に並びました。
ある夫婦宅は母屋の基礎が崩れ、家が傾きました。地震が発生したのは、台風21号が去り、「平和がいいね」と語り合って寝た後でした。
「もう終わりだと思った」と夫、「五右衛門風呂の中で揺さぶられているようでした」と妻。自宅の土地は、戦死した夫の父が開拓し、離れがたい場所です。「自分の家が一番いい。建て直して早く家に戻りたい」と夫。
息子夫妻と孫の家族5人で住んでいた家の基礎が崩れた女性(54)。地割れもあり、怖くて今の場所には住み続けられないといいます。
「命があっただけ、いいっしょ」と女性。町営住宅にも申し込んでいますが、入居のめどが立ちません。「もうすぐ冬が来る。それまでに住む場所を決め、安定させたい」
避難所前で札幌の居酒屋を経営する企業が「被災者にあったかい食事を提供したい」とみそラーメン700食を振る舞いました。
給水に来た男性がラーメンをすすり「身も心も温まります」と笑顔を見せました。
スタッフ7人とラーメンをつくった野口圭専務は「麺は取引業者から無償で提供を受けました。ラーメンで少しでも笑顔に、元気になってほしい」。
避難所には10日から段ボールベッドが導入されました。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員と畠山和也前衆院議員らが避難所を訪問(8日)した際に要望があったものです。
6日から避難所に来ている女性(72)は「寝ている時、ほこりを吸わなくなりました。夜も温かく、腰掛けることもできるので快適です」と喜びました。(秋山強志)