2018年9月7日(金)
北海道地震 「ひずみ集中帯」で発生
|
今回の震源域の東側では海のプレート(岩板)が陸のプレートの下に沈み込んでおり、震源域を含む北海道の東部は、ひずみがたまりやすい「ひずみ集中帯」となっています。
ひずみ集中帯を研究している京都大学防災研究所の西村卓也准教授によると、この地域のひずみには、海溝型巨大地震に関連するひずみと、今回のような内陸直下型地震に関連するひずみの成分が含まれます。
西村さんは「震源の周辺は、北海道の東部が西部に衝突して乗り上げている地域だと考えられています。日高山脈は衝突の結果できた山脈です。また今回の地震との関連が疑われている石狩低地東縁断層帯など断層がいくつも平行してできています。今回の震源は石狩低地東縁断層帯の東側にあり、衝突の影響でひずみがたまりやすい場所だと解釈できます」と説明します。
石狩低地東縁断層帯は非常に長い断層(推定100キロメートル以上)です。今回の地震が関連しているとすれば、一部が動いたにすぎず、「断層全体にたまっているひずみの全部を解放していない可能性がある」と西村さんは指摘。M6・5の地震の後に隣接する活断層がより大規模の地震を引き起こした、2016年の熊本地震を念頭に「しばらくは引き続き注意する必要がある」と話しています。
(中村秀生)