2018年9月1日(土)
父母連帯、教員スト
ワシントン州 賃上げ求め数千人
米で7州目 街頭で支持訴え
【ワシントン=遠藤誠二】米北西部ワシントン州の教員が29日から、賃上げを要求しストライキを開始しました。教員ストは、南部ウェストバージニア州で3月に行われて以来、各地に広がっており、7州目となります。
現地からの報道によると、ワシントン州南西部の七つの校区で新学期初日となる29日、教員数千人がストに入りました。今週中、授業は行われない予定で、公立学校に通う児童・生徒約8万人が影響を受けます。
教員らは、教育予算増額を求める運動のシンボル、赤色を身にまとい、街頭でも支持を訴えました。保護者や州民も連帯してデモに参加しました。
同州では3月に議会が、教員の賃上げのために10億ドル(約1100億円)の追加予算を承認。各地で教育当局と教員組合が交渉を続けてきました。一部の校区では10%以上の賃上げで妥結したものの、南西部の校区では合意に至らず、教員側は、引き続き、最低でも10%の賃上げを要求しています。
教員ストは来週以降、州内の別の地域でも広がる可能性があります。最大都市シアトルでは、授業開始の9月5日までに交渉が成立しない場合、教員がストを決行するとしています。
米国ではこの間、ウェストバージニア、アリゾナ、オクラホマなどの各州で教員が賃上げや教育予算の拡充を求めストを行い、一定の成果を勝ち取ってきました。
オクラホマ州では、11月の中間選挙に向け、民主・共和の党派を問わず、50人規模の教員が州議会選に立候補し、予備選を勝ち抜いています。教員ストが行われた州は、共和党が地盤とする地域で、2016年の大統領選ではトランプ大統領が勝利しています。今回のワシントンは、州全体で民主党が強い地域です。