2018年8月30日(木)
米最大州、核禁条約を支持
カリフォルニア州議会 先制使用放棄も決議
【フェニックス(米アリゾナ州)=池田晋】米カリフォルニア州議会上院(定数40)は28日、核兵器禁止条約を支持し、核軍縮を国家安全保障の最重点項目にするよう求める上下両院合同決議を賛成多数で採択しました。下院(定数80)は20日に採択。全米最大3954万人の人口を擁する同州が、州議会レベルで同条約に支持表明した最初の州となりました。
決議は、現米政権が進める1兆ドル(約111兆円)規模の核兵器近代化計画が惨劇の危険性を高めるだけでなく、地球規模の軍拡競争を加熱させるものだと指摘。これに代わる対案が122カ国の賛成で採択された禁止条約だとし、先制使用政策や大統領単独での核発射命令権限を放棄することにより、政府に対し核戦争阻止の先頭に立つことも求めています。
決議は、サンタバーバラ選出のリモン州下院議員(民主党)が提案。同地に拠点を置く平和団体「核時代平和財団」は「カリフォルニア州が核軍縮を支持する上で巨大な一歩を踏み出し、この重要な課題で同州を最前線に置くものだ」と歓迎の声明を出しました。
州議会上院は同日、大統領の核発射権限を制約する法的措置を速やかに取るよう連邦議会に求める別の両院合同決議も採択しました。