2018年8月18日(土)
「民主主義の教育 私もつくりたい」
「教え子を再び戦場に送るな」胸に刻み
教育のつどい 参加者の声 長野
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「憲法を守り真実をつらぬく民主教育を広げよう」「教え子を再び戦場に送るな」―。17日から長野市で始まった「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2018」。教職員、保護者、研究者、市民など全国から集まった参加者は、子どもの声を聴き、子どもの実態から始まる教育実践、参加と共同の学校づくりをすすめるために学び合い、語り、交流しようとの思いがいっぱいです。
全国の授業実践に刺激を受けているという兵庫県の小学校教師の男性(38)。「いつも実践報告を聞いているだけで、子どもたちが輝く授業風景が目に浮かぶよう。帰ってから自分なりにアレンジしています。子どもたちが自分の人生を歩んでいく手助けができる教師でありたい」
京都府の特別支援学校の男性教師(32)は「現場では文書の作成や会議で忙しく、子どもの話が脇に置かれる。横のつながりで、授業実践や子どもの見方を深め、自分の感性を鋭くしたい」と参加への意気込みを語ります。
事実を選ぶ力
社会の右傾化、安倍政権の狙う改憲への危機感を語ったジャーナリストの青木理さんの記念講演を受けて、長野県で学校図書館の司書をしている女性(57)は、授業で沖縄の新基地建設に反対する人々の写真を見た子どもが「この人たち動員だよね」と話したことに危機感を覚えたといいます。「自分で事実を取捨選択する力を身につけられるようどう教えていけたらいいか、どう話せたらいいか深めていきたい」と話しました。
奈良県の小学校教師(27)=女性=は「『日本は自分たちで民主主義を勝ち取ったことがない』という話になるほどと思った。一人ひとりが社会や憲法について考えていかないといけない。民主主義の教育を私もつくっていきたい」と話しました。
ヒントほしい
初参加や若い教員の姿も多くありました。埼玉県の特別支援学校の女性教師(34)は「今回が初参加です。先輩の教師から子どもが戦争に巻き込まれてきた話を聞いてきました。『教え子を再び戦場に送るな』ということを胸に刻みながら生活していかなければいけない」と話しました。
東京の中学校の女性教師(32)も、初参加です。「生活指導・自治的活動」の分科会で報告、発表します。「『言うことをきかない子は排除する』という風潮が広がっている。生徒から出発して考えようという人を若い先生の中にも増やすためにヒントをもらえたら」と意欲を語りました。