2018年8月7日(火)
首相に条約署名迫る
広島の被爆者7団体
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「国連の場で核兵器禁止条約が成立したのに日本はなぜサインしないのか」―。広島の被爆者7団体の代表は6日、広島市の平和記念式典後、安倍晋三首相と懇談し、被爆者の願いが実現した核兵器禁止条約への署名・批准を迫りました。
安倍首相は冒頭、「総理大臣として平和記念式典に出席するのは7回目となる。唯一の戦争被爆国として『核兵器のない世界』に向けて粘り強く努力していく」と述べただけで、核兵器禁止条約に一言もふれませんでした。
広島被爆者団体連絡会議の吉岡幸雄事務局長は、「政府は核兵器禁止条約を拒否し、米国の核兵器を容認している。集団的自衛権の行使容認や、憲法改悪も、平和公園の碑文『安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから』の誓いに背くものだ」とただしました。
被爆者7団体は要望書で、米英仏ロ中の核兵器保有を認めるNPT(核不拡散条約)ばかりが注目され、「誠実に核軍縮交渉を行うべき核兵器保有国の義務がなおざりにされていることは納得できない」と指摘。「核兵器で威圧し合うことは果てしない核軍拡の道を歩むことにしかならない」と強調しています。
広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長も、禁止条約への批准を求め、被爆者認定制度や援護制度の抜本的な改善を要求。「原爆投下から73年が経過しても、こうした問題や原爆訴訟が続いている。いかに核が非人道性なものかということを端的に示している」と話しました。
安倍首相は、条約について「核兵器廃絶というゴールは共通しているものの、わが国の考え方やアプローチと異なるものだ。唯一の戦争被爆国として、国際社会の取り組みを主導していく」と従来の説明を繰り返しました。