2018年7月28日(土)
北朝鮮、米兵遺骨を返還
共同宣言で合意 非核化へ前向きな動き
朝鮮戦争(1950年6月~53年7月)で行方不明となった米兵の遺骨55人分が27日、北朝鮮から米国に返還されました。米ホワイトハウスによると、米軍輸送機が同日、北朝鮮の元山からソウル南方の烏山空軍基地に遺骨を移送しました。
朝鮮戦争の行方不明米兵の遺骨返還は、6月12日の米朝首脳会談の共同宣言で合意されていました。米朝関係の改善とともに、北朝鮮の非核化の実現に向けた前向きな動きといえます。
トランプ大統領は移送前、ツイッターで「多くの家族にとって素晴らしい瞬間となる」と表明。ホワイトハウスも「北朝鮮の行動と前向きの変化への弾みには勇気づけられる」と述べました。
ロイター通信によると、烏山空軍基地では、正装した米兵が国連旗に包まれた55個の箱を運び出しました。正式な返還式典は8月1日に行われ、遺骨はその後、ハワイの国防総省施設で身元確認が行われます。
朝鮮戦争では米兵3万6000人以上が死亡。そのうち7700人以上が消息不明で、うち約5300人の遺骨は北朝鮮にあると推測されています。
米朝両国は96~2005年、共同で遺骨発掘調査を行いましたが、その後、北朝鮮の核開発問題をめぐる対立から中断していました。