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2018年7月27日(金)

主張

最低賃金の改定

引き上げと地域格差の解消を

 厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会(最賃審)が、2018年度の最低賃金について、全国平均で26円引き上げて時給874円にする目安を答申しました。世界の主要国の多くが時給1000円を超える中、きわめて低い水準です。しかも今回の目安では、都道府県間の格差はさらに広がることになります。「働く貧困」問題を打開するには程遠いものです。最低賃金は今後、目安を参考に都道府県ごとの最賃審で議論され、正式に決まることになります。大幅な引き上げと、地域間の格差を解消するための取り組みがいっそう重要となっています。

地方の疲弊に拍車かける

 最低賃金は、最低賃金法にもとづき定められる最低限度の賃金です。使用者は最低賃金以上の賃金を支払わなければならず、違反した場合は罰金があります。地域別最低賃金は、産業や業種にかかわりなく都道府県内の全ての労働者に適用されることになります。

 安倍晋三政権は今回の答申について「過去最大」の引き上げと自慢しますが、平均時給874円は、国民の願いと大きくかけ離れています。フルタイムの年1800時間で働いても、年収で157万円程度にしかなりません。この水準では、労働者が賃金だけで生活するのは極めて困難です。安倍政権は全国平均で時給1000円をめざすというものの、いまのペースで引き上げを続けたとして、達成できるのは5年も先です。

 深刻なのは、今回の目安では、地域の賃金格差がますます拡大することです。東京が27円引き上げて985円になるのに対し、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の8県は23円アップの760円にしかなりません。開きは17年度の221円から225円へとさらに広がります。フルタイム労働で計算すると年収で40万円以上もの違いになります。神奈川県と静岡県のように通勤が可能な県の間でも、時給の金額差が125円にもなることは重大です。

 全国に展開するチェーン店やコンビニエンスストアでは、どこでも同じ仕事をしているのに、賃金に差があるのは不合理です。

 地方では、賃金が高い都市部で仕事を求める若者が地元を離れる傾向が出ています。労働力が不足し苦境に立たされている地方の企業も少なくありません。年々広がる地域間の格差が、地域経済を疲弊させていることは明らかです。

 「いますぐどこでも時給1000円」を実現することは、日本経済全体の健全な成長にとっても緊急の課題です。さらに時給1500円への引き上げをめざすことが必要です。そのために、中小企業が最低賃金を支払えるよう、大企業の下請けいじめなどを規制するとともに、社会保険料負担の減免、賃金助成などの支援を抜本的に強めることが求められます。

著しい立ち遅れをただし

 世界の主要国の最低賃金(時給)は、フランス1326円、ドイツ1201円、アメリカのカリフォルニア州1525円などとなっています。多くの国は、貧困解消や格差是正にとって最低賃金が果たす役割を重視しています。日本はあまりに立ち遅れています。「8時間働けばふつうに暮らせる社会」の実現のために、最低賃金の全国一律の大幅引き上げは急務です。


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