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2018年7月25日(水)

主張

介護離職高止まり

実態踏まえ根本的打開を急げ

 家族などの介護や看護のために仕事を辞めた介護離職者が年9万9100人にのぼることが総務省の2017年就業構造基本調査(13日発表)で分かりました。前回12年調査の10万1100人からほとんど減らず、高止まりのままです。安倍晋三政権は20年代初めまでに「介護離職ゼロ」という目標を掲げますが、実現の道は見えません。だいたい「ゼロ」を口にする一方、介護保険改悪を繰り返し、高齢者や家族に負担を強いる安倍政権のやり方自体が間違っています。事態打開のために制度改悪をやめ、国民が安心できる公的介護の仕組み拡充が必要です。

75%強が無職者のまま

 総務省調査によれば、介護離職者のうち女性が7万5千人と8割弱を占めました。多くの女性が職をあきらめ、介護を担っている状況を浮き彫りにしています。

 深刻なのは介護のためにいったん仕事を辞めた人がなかなか就職できていないことです。同調査によれば、再び職に就いた人は2万5千人と約25%にとどまり、75%強が無職者でした。総務省の別の調査では、介護離職時に仕事の継続を希望した人のうち、再就職できない人が約6割もいました。

 親の介護のために退職する世代の多くは40~50代とみられますが、その年代の再就職は困難なのが現実です。しかも介護に専念する時期が長期化すればするほど、仕事から遠ざかる期間が長くなり、就職の機会を逸してしまい、社会からも孤立しがちになるケースが大きな問題になっています。介護離職者が仕事につけるよう保障する仕組みをつくるとともに、仕事を辞めないで介護ができるよう、介護休業制度を利用しやすく改善することなどが急がれます。

 働きながら介護をする上で不可欠なのは、安心して使える公的介護サービスです。ところが、いざ介護保険を利用しようとしても、施設には入れず、必要な在宅サービス機能も不足しているなどの状況が、大きな壁になっています。

 安倍首相は15年、「新3本の矢」の政策を打ち出し、その一つに「介護離職ゼロ」を掲げ、「受け皿」づくりをすすめるとしました。しかし、介護職員不足などにより特別養護老人ホームなどの整備は目標を達成できないのが実態です。政府は介護人材確保のために職員の「処遇改善」をいいますが、他の産業よりも低い賃金を抜本的に解決するものにはなっていません。社会保障費の削減を続ける安倍政権がこの間、介護報酬を引き下げたり、低水準に抑え込んだりした結果、引き起こされた矛盾です。

 介護離職者数が5年前から横ばいのままという事実は、安倍政権のやり方の行き詰まりを示しています。本気で「介護離職ゼロ」を実現するというなら、国民に苦難を押し付ける社会保障費削減をやめ、充実への道に転換すべきです。

公的制度の拡充を急げ

 特養入所の資格を原則「要介護3以上」にしたことや、「軽度」の人の介護サービス利用を制限する動きの強化など介護保険制度を使わせないため、改悪を繰り返している安倍政権の責任は重大です。

 8月からは一定所得の人の介護利用料負担を2割から3割に引き上げることも開始する予定です。利用者を苦しめる改悪は中止・撤回すべきです。安心の公的介護の仕組みの拡充が急務です。


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