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2018年7月21日(土)

安倍内閣不信任案に対する志位委員長の賛成討論

衆院本会議

 日本共産党の志位和夫委員長が20日の衆院本会議で行った安倍内閣不信任決議案に対する賛成討論は次の通りです。


写真

(写真)衆院本会議で内閣不信任案の賛成討論に立つ志位和夫委員長=20日

 私は、日本共産党を代表して、安倍内閣不信任決議案への賛成討論を行います。

 冒頭、西日本豪雨災害で犠牲になった方々に深い哀悼の意を表するとともに、被災されたすべての方々に心からのお見舞いを申し上げます。

 この通常国会は、戦後かつてない異常国会となりました。安倍内閣は、いよいよ深刻となった国政私物化疑惑にひたすらフタをする態度を取りながら、「数の暴力」にまかせて国民が強く反対する法案を次々に押し通しています。

 もはやこの内閣に、わが国の国政を担う資格はありません。

西日本豪雨災害への対応――人の命より賭博優先の暴挙に強く抗議する

 不信任の第一の理由は、豪雨災害への対応の問題です。

 豪雨災害にさいして、9日、私たち6野党・会派の党首はそろって首相官邸に行き、「行政府、立法府が一体となって取り組む態勢を整えるとともに、総理、防災担当大臣、国土交通大臣など関係大臣は災害対応に最優先で取り組むこと」を強く求めました。

 ところが安倍政権の対応はどうか。野党の要請を無視し、カジノ実施法案を最優先する。災害対策で陣頭指揮に立つべき国土交通大臣を長時間国会に張り付ける。人の命より賭博優先か。米国のカジノ企業ひも付きの究極の売国法案を、多くの人々が大災害で苦しんでいるさなかに強行する。この安倍政権の暴挙に対して、私は、満身の怒りを込めて抗議するものであります。

 常軌を逸した党利党略の参議院選挙制度の改変をごり押しした自民・公明の暴挙も、絶対に許すわけにいきません。

 7月5日、11万人に避難指示が出たその日の夜、安倍総理を先頭に、官房副長官、防衛大臣、法務大臣ら自民党議員数十人が参加して飲み会を開き、「赤坂自民亭」などと浮かれ騒いだあげくに、「和気あいあい」と写真をツイッターに投稿したことも、この内閣の無責任と無感覚を象徴する許し難い行動です。

 このような政権に、およそ国民の生命と安全をあずかる資格はありません。

改ざん、隠ぺい、虚偽答弁――国民主権と議会制民主主義破壊の異常事態を引き起こす

 不信任の第二の理由は、安倍政権のもとで、改ざん、隠ぺい、虚偽答弁など、国民主権と議会制民主主義を破壊する前例のない異常事態が引き起こされたことであります。

 その最悪の表れが、いよいよ深刻になった森友・加計疑惑です。

 私は、党首討論で、この1年あまりの経過で政府自身も認めた五つの重大な事実――森友・公文書を改ざんしたこと、「交渉記録を廃棄した」という虚偽答弁を行ったこと、虚偽答弁にあわせて交渉記録を実際に廃棄したこと、加計疑惑で「総理のご意向」などの内部文書を「怪文書」と決めつけ隠ぺいをはかったこと、柳瀬(唯夫)元総理秘書官が1年近く虚偽答弁を行っていたことを指摘し、総理の認識をただしました。

 これらの悪質な行為がなぜ引き起こされたのか。「森友・加計疑惑に関わっていたら総理を辞める」――こう答弁した総理、あなたを守るためであります。そして、もしも総理が真実を語っていたとしたら、改ざん、隠ぺい、虚偽答弁など悪質な行為を行う必要がありません。それが行われたということは、総理の答弁がウソだった、ウソの答弁につじつまをあわせるためだった、そうとしか説明がつかないではありませんか。

 一国の総理が、国会の場でウソの答弁をのべているとすれば、およそ議会制民主主義は成り立ちません。公文書が勝手に改ざんされたら、およそ国民主権は成り立たなくなります。だから私たちは疑惑究明を今後も徹底的にやります。総理が辞めるまで手を緩めることは決してありません。そのことをここで宣言しておきたいと思います。

 深刻な国政私物化疑惑を引き起こし、疑惑解明にフタをする態度をとり続けている安倍総理に、もはや総理の資格はありません。

戦後労働法制の土台を覆す――「残業代ゼロ制度」強行の責任は重大

 不信任の第三の理由は、安倍政権が、戦後労働法制の土台を覆す「働き方改革」一括法を強行成立させたことです。

 とりわけ「高度プロフェッショナル制度」は、労働時間規制を取り払い、いくら残業をしても残業代を1円も払わなくてもよい、文字通りの「残業代ゼロ制度」であり、異次元の大改悪です。

 過労死家族の会のみなさんが、「この法案が通れば過労死が確実に増えてしまう」と座り込みまでして総理に面会を求めたのに、総理は最後まで会おうとしませんでした。過労死家族の会のみなさんに面と向かって説明することもできない総理に「働き方改革」を語る資格があるでしょうか。断じてノーであります。

 しかも、この法律は、法案づくりの出発点となった労働時間調査について大量のデータのねつ造や隠ぺいが発覚したうえ、「高プロ」についての「労働者のニーズ」なるものも虚構だということが明らかになりました。

 労働者の命と健康を破壊する法律を、ウソにまみれた汚れた手で強行した安倍政権の責任はきわめて重大であり、速やかに退陣すべきであります。

朝鮮半島の平和の流れに逆らって、「戦争する国づくり」への暴走を続ける

 不信任の第四の理由は、朝鮮半島で開始された平和の流れに逆らって、「戦争する国づくり」への暴走を続けていることです。

 南北首脳会談と米朝首脳会談によって平和の流れが起こるもとで、「戦争する国づくり」の企てをこのまま続けていいのか。このことが厳しく問われています。

 これまで安倍政権は、「戦争する国づくり」を進めるうえで、北朝鮮の「脅威」を最大の口実にしてきました。安保法制=戦争法、大軍拡、辺野古新基地、憲法9条改定――すべてにおいて北朝鮮の「脅威」があおりにあおられました。

 総理は、2014年5月、集団的自衛権の行使を訴えた記者会見で、お母さんが乳飲み子を抱いて朝鮮半島と思われる紛争地から米国艦船で脱出しようとしている、およそ想定しえない姿を描いたパネルをかざして、国民をこう脅しました。「彼らの乗っている米国の船を今、私たちは守ることができない。それでいいのか」。こう言って安保法制を強行したのであります。

 沖縄の辺野古新基地も同様であります。その出発点となった1996年のSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意のさい、米側は在沖縄海兵隊の主要任務を「朝鮮半島有事」との認識を示していました。安倍政権も、「朝鮮半島などの潜在的紛争地域に近い」ことをあげ、だから「辺野古が唯一の解決策」だとして沖縄県民に押し付けてきました。

 しかし、いま開始された平和の流れが成功をおさめたら、「北朝鮮の脅威」という「戦争する国づくり」の口実が、どの問題でも成り立たなくなるではありませんか。

 いま日本政府に求められているのは、北東アジアに生きる国として、この地域に平和体制、平和秩序を構築するための外交的イニシアチブを発揮することであります。その意思もなければ、能力もなく、平和の流れに逆らう「戦争する国づくり」への暴走を続ける安倍政権を、これ以上続けさせるわけには断じていきません。

 市民と野党の共闘をさらに大きく発展させ、安倍政権を倒し、憲法が生きる新しい政治をつくるために全力をあげる決意を表明して、私の賛成討論を終わります。


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