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2018年7月19日(木)

主張

プルトニウム保有

核燃サイクルからの撤退こそ

 1988年の発効から30年の満期を迎えた日米原子力協定が17日、自動延長されました。同協定は日本の原子力政策の根幹となる「核燃料サイクル」を支えている取り決めです。原発の使用済み核燃料を再処理して、取り出したプルトニウムを再び原発で使う核燃料サイクルは行き詰まっています。日本にはすでに核兵器への転用も可能なプルトニウムが約47トン、原子爆弾6000発分も蓄積されており、世界からは懸念の声が上がっています。安倍晋三政権は原発再稼働をやめるとともに、破たんしている核燃料サイクルから撤退すべきです。

「削減」を掲げたが

 原発は運転することによって、プルトニウムなどを含む使用済み核燃料が生まれます。政府や電力業界は、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再び原発で使えるようにする「核燃料サイクル」の実現をめざしてきましたが、六ケ所再処理工場(青森県)の完成時期が24回も延期されるなど、この方針の破たんが浮き彫りになっています。

 使うあてのないプルトニウムが増え続け、国内で約10トン、国外(イギリスとフランス)で約37トンに達しており、国際社会が強い不信を抱く状況となっています。

 安倍政権は今月初めに閣議決定した第5次「エネルギー基本計画」で、「利用目的のないプルトニウムは持たない」というこれまでの表現に加え、「プルトニウム保有量の削減に取り組む」という文言を盛り込みました。国際社会からの批判を意識したものですが、重大なのはあくまで原発再稼働と、核燃料サイクルの推進に固執していることです。

 核燃料サイクルでプルトニウムを消費する本命だった高速炉開発では、ナトリウム漏れの重大事故を起こした「もんじゅ」は廃炉に追い込まれました。政府は高速炉をフランスと共同開発することにしていましたが、同国から計画の大幅縮小が発表され、計画の破たんは隠しようもありません。

 六ケ所再処理工場を完成させれば、フル稼働で年間4トン強のプルトニウムが発生するという矛盾にも直面します。

 政府は通常の原発でウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を燃やす、危険性の高い「プルサーマル発電」ができる原発の運転をさらに増やそうとしています。しかし、東京電力福島第1原発事故後、思惑どおりにすすんでいません。国民世論に逆らい再稼働させた原発9基のうちプルサーマルが可能なのは4基で、プルトニウム消費はわずかな量です。破たんしたこれらの方針にいくらしがみつき続けても、世界から向けられている疑念や懸念は払しょくされません。

「原発ゼロ」の道こそ

 日米原子力協定は自動延長されましたが、今後は、日米のどちらかが半年前に一方的に通告すれば廃棄できることになりました。核燃料サイクルの前提となる協定はもうやめるべきです。

 世界では再生可能エネルギーが急速に普及しコストも大幅に下がる中、福島原発事故後、原発のコストは極めて大きくなっています。原発再稼働の中止、核燃料サイクルの断念は急務です。原発ゼロの日本へかじを切ることがいよいよ必要です。


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