2018年7月18日(水)
アマゾン 過酷な労働条件 欧州諸国でスト
長時間緊張を強いられる作業
厳しいノルマ・ボーナス廃止
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【ベルリン=伊藤寿庸】インターネット通販大手のアマゾンが「プライムデー」という大規模な安売り期間を実施するのに合わせて、16日からスペインの労働組合が3日間のストライキを実施しました。ドイツなど他の欧州諸国でも連帯したストが広がっています。
スペインのアマゾンでは、3月にもストを実施し、会社との労働協約の締結を求めて交渉を続けてきました。しかし労働時間の9時間への延長、ボーナスの廃止、病休保障の欠如などをめぐって労使の対立が深まり、再度のストとなったもの。
スペイン共産党は、アマゾンに臨時労働者を派遣している会社が、「ストに参加したら解雇する」と労働者を脅していると告発。アマゾンでの注文のボイコットを呼びかけました。
ドイツでは6カ所の配送センターで17日、統一サービス産業労組(ベルディ)がストを実施。アマゾンの労働者は、長時間の単調で緊張を強いられる作業で肉体的、精神的なストレスにさらされ、多くが健康をむしばまれています。ベルディは、健康を守るために団体協約の締結を求めていますが、アマゾンは拒否しています。
ポーランドでは、雇用継続に必要な最低限の仕事しかしない「順法闘争」を行います。
アマゾンの過酷な労働条件について英紙ミラー(電子版)が昨年11月、英サセックスの配送センターで記者が「ピッカー(商品を集める労働者)」として潜入取材しリポート。1時間に300個の品物を処理するノルマが課され、トイレ休憩の時間まで計測される中、立ったまま眠る人や、倒れて救急車で運ばれる労働者も多数いたと告発しました。