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2018年7月17日(火)

ミカン畑崩落 愛媛・宇和島

復旧見通し立たず

生産者“被害全容つかめない”

 記録的豪雨災害で死者11人の被害が出た愛媛県宇和島市吉田町。同町は県内有数の温州ミカンなどの生産地で海岸線に沿った傾斜地を利用し栽培しています。ところが今回の豪雨によりミカン畑がある山々で土砂崩れが多発。生産者はまだ被害状況さえもつかめていないといいます。(原千拓)


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(写真)ミカン畑ごと崩落した斜面=16日、愛媛県宇和島市吉田町

 ミカンを30年以上生産している吉田町の男性(57)は「山崩れで農道が寸断されモノラック(収穫したミカンを運搬するためのモノレール)やスプリンクラーなども破壊されている。消毒をしなくてはいけない時期ですが、それができない。追肥料もできず、農作業ができない状況です。復旧の見通しが立たず今年のミカンの収穫は難しい」と肩を落とします。

 吉田町では16日現在も断水が続いています。市によると上水道施設が裏山の崩壊により被災状況が壊滅的で復旧の目途がたたず、断水の状態が長期化することが予想されると発表しています。

 男性の自宅も床上まで浸水。男性は「命を取られないだけ良かった。まだ自分のミカン畑の山の被害状況も分らないが、まずは家の片づけです」と話しました。

 ミカンは苗を植えて実になるまで約10年かかると男性は説明します。「ミカン畑の表層土が流されているので苗を植えようにも植えられないし、段畑も作れないと思います」と訴えました。

 日本共産党の坂尾真宇和島市議は「個人でできることは限られます。どう政治が動くかが大事です。特にミカン農家など中小企業者に対する支援対策をどうするのかがこれからの課題です」と話しました。党南予地区豪雨災害対策本部の西井直人本部長、坂尾市議らは15日、岡原文彰同市長に被災者や避難者の生活におけるライフラインや医療保障などのきめ細やかな救援、生業(なりわい)再建への支援などを求めた要望書を提出しました。


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