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2018年7月11日(水)

豪雨被害 死者149人に

依然60人不明 捜索・救助続く

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(写真)体育館の板張りにカーペットと薄い毛布を重ねただけの上で横になる高齢の避難者ら=10日、広島市安芸区

 西日本を中心に降り続いた記録的な豪雨の被害は10日も拡大し、死者は12府県で149人となりました。行方不明は依然、7府県で60人おり、被災地では消防や警察、自衛隊などが捜索・救助活動を続けました。広島県では10日午前、同県府中町を流れる榎川(えのきがわ)に流木が堆積して氾濫し、町が周辺の約1万世帯、約2万5000人に避難指示を出しました。総務省消防庁によると、10日午後1時現在、15府県で1万49人が避難所に身を寄せました。厚生労働省によると、同日正午現在で約25万5000戸が断水しています。

猛暑の避難生活 入浴もできず 広島市安芸区

 西日本豪雨による浸水被害や土砂崩れで家が住めなくなり、避難所に身を寄せている被災者は、広島県内だけでも4326人(10日午前9時現在)に上っています。仮住まいの確保にはまだ時間がかかる中、冷房設備のない避難所もあり、高齢者や病気を抱える被災者は連日の猛暑で健康面の不安が高まっています。広島市安芸区の避難所を訪ねました。

 「この年になってこんな災害に遭うなんて思いもしなかった」。午後の熱気がこもる矢野小学校(安芸区)体育館の中で女性(78)は、被災後着の身着のままで救助され、以来ずっと入浴もしていない状況に声を詰まらせました。11日にはクーラーが設置されるといいますが、それまでは扇風機やうちわだけで暑さをしのぐしかありません。

 糖尿病で足を悪くし、歩くことのできない夫や50歳の息子と一緒に、体育館の板張りの上で寝起きする女性。自身も耳が遠く目もあまり見えないために、住まい再建に必要な罹災(りさい)証明書発行の手続きなどは息子に任せるしかないといい、「苦労をかけてばかりで」と語りました。

 大学病院の精神科を受診しているという女性(43)は70代の両親とともに避難生活を送っています。被災前は、父の運転で通院していましたが、「車が水に漬かって壊れてしまったのでこれから大変。しばらく通院できないなら病気のことが一番心配です」と語りました。「保健師や内科医には巡回で避難所に来てもらっていますが」

 弁当のほか、ペットボトルのお茶などが支給されていますが、「暑くなったので冷やして飲めるように氷がほしい」といった要望も。「銭湯もここからは遠く徒歩では行けない」「車がなくて区役所まで行けない人のため、罹災証明書の手続きを避難所でもできるようにしてほしい」などの声が上がっていました。(岡素晴)


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