2018年7月3日(火)
短冊に「忘れないよ」
大阪北部地震2週間 祈り・不安・感謝
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「忘れないよ、いつまでも」「星になってお空にいるよ。でも、ここにいてほしい」。ブロック塀の下敷きになって女児(9)が死亡した大阪府高槻市立寿栄小学校前に設置された献花台の横に七夕の短冊が飾られています。大阪北部を震源とする最大震度6弱の地震発生から2日で2週間になりました。死者4人、負傷者428人。住宅被害は2万2千棟を超えました。
地震発生の午前7時58分を少し過ぎたころ、「おはようございます」と児童が寿栄小学校の校門をくぐりはじめました。午前8時10分ごろ、散歩中の78歳と77歳の夫婦が献花台前で手を合わせました。「かわいそう」「だれも高さ3・5メートルの塀が倒れてくるとは思わなかったでしょうね」
隣のコミュニティーセンターには9人が避難。住むマンションが「危険」と判定され「戻るに戻れない」と女性(88)。「引っ越すにも敷金・礼金30万円なんてとても払えない」
茨木市役所南館10階。「ほら、ブルーシートを屋根にかぶせた家が多いでしょ」。男性(74)が街並みを指さします。自身も屋根の一部が損壊し罹災(りさい)証明書の申請をしました。「阪神大震災(1995年)の時は持ちこたえた家も、どこかがゆがんでいたんでしょうね。台風が心配」
市役所に近いボランティアセンター。「ボランティアは今回がはじめて」という東大阪市から来た男性(43)は、茨木市で「ピアノを移動させたい」という家へ3人組で向かいました。「1人暮らしのお年寄りが多く、吹田市では5軒訪ねて2軒で『ありがたい』と泣かれてしまって。ゴミを片付けるだけで、すごく感謝されるんです」