しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月23日(土)

「働き方」法案の効果示せず

報酬増・時短保証なし 廃案こそ

 「働き方改革」一括法案の審議のなかで、安倍政権は同法案によって労働環境が改善するなど実効性を示せなくなっています。

 残業代ゼロ制度(高度プロフェッショナル制度)について、安倍首相は「時間ではなく成果で評価される」「短時間で仕事が仕上がれば、余暇を楽しめる」(5月23日、衆院厚生労働委員会)と繰り返してきました。日本共産党の高橋千鶴子議員は、「成果をあげても報酬が増える保証はない。業務量も減らせない」と反論しました。

 結局、加藤勝信厚労相が6月19日の参院厚労委員会で、「(年収要件の)1075万円を上回るところは、要求していない」「労働時間短縮とただちに結び付かない」と答弁し、報酬増や時短の効果がないことを認めました。

 残業の「上限規制」も、単月100時間、平均80時間の「過労死ライン」まで容認するものになっています。

 この「上限規制」にどれだけ労働時間の削減効果があるのか。山越敬一労働基準局長は、「効果を定量的に示すことは困難だ」と答えられませんでした。(19日、参院厚労委)

 共産党の倉林明子議員は、損保大手の三井住友海上で残業協定を従来の年350時間から540時間へ、190時間も延長するなど、「過労死ライン」容認の法案が逆に残業増を誘発すると告発しました。

 「同一労働同一賃金」についても、山下芳生副委員長が4日の参院本会議で、どれだけの非正規雇用労働者が均等待遇になるかをただしたところ、「どの程度是正されるか答えるのは困難だ」と実効性を答えられませんでした。

 政府自ら主張してきた実効性を示せない法案の採決など許されず、廃案にする以外にないことが浮き彫りとなっています。

働き方法案は実効性あるの?

 [高度プロフェッショナル制度]加藤厚労相「労働時間短縮とただちに結び付かない」「1075万円を上回るところは、要求していない」

 [残業の上限規制]山越労働基準局長「効果を定量的に示すことは困難だ」

 [同一労働同一賃金]安倍首相「どの程度是正されるか答えるのは困難だ」


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