2018年6月23日(土)
陸上イージス配備に疑問
防衛相説明に秋田・山口両県知事
県庁前 市民ら抗議行動
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小野寺五典防衛相は22日、北朝鮮の弾道ミサイルを想定した陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備強行を狙い、秋田・山口両県を訪問しました。小野寺氏は米朝首脳会談の歴史的合意を無視し、北朝鮮脅威に固執。不安や反発が大きく広がりました。
陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)への配備計画について、小野寺氏は佐竹敬久知事や穂積志秋田市長らに説明。朝鮮半島情勢が激変する中でもなお配備に固執しました。
佐竹氏は、「北朝鮮が強硬姿勢から対話姿勢に転じ脅威が薄らいできている現在の状況においても早急に配備する必要があるのか」「配備そのものや、自衛隊施設以外も含めて改めて最適地の選定をし直すなど、変更する余地はないのか」などの質問状を手渡しました。
また、防衛省が会談の前日に配備に向けた地質調査などの入札公告をしたことについて、「地元軽視だ」と抗議しました。
会談が行われた県庁前では「ミサイル基地『イージス・アショア』を考える県民の会」「イージス・アショアを考える勝平の会」「新屋住民の会」などの市民が抗議集会をひらき、配備反対を訴えました。
山口県では村岡嗣政知事、萩市の藤道健二市長、同市に隣接する阿武町の花田憲彦町長らに対し、萩市の陸自むつみ演習場への配備計画を説明。村岡知事も朝鮮半島情勢が変化する中での配備の必要性をたずねたのに対し、小野寺氏は「北朝鮮の実際の脅威は変わっていない。イージス・アショアの整備には最低5年かかるが、(北朝鮮の)政策は一瞬で変わり得る」と強弁しました。
花田町長は、住民説明会(17日)での防衛省の説明は具体性に欠け、不安や不信が増したとし、「住民の不安が払しょくされないまま工事に向けた調査に着手すれば、『丁寧に説明する』という言葉はかすむ」と指摘。現地調査の公告(21日)について「開札(8月2日)までに不安が払しょくできなければ、開札しないという方法もあり得るのでは」と訴えました。