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2018年6月21日(木)

ロシア発ゴール

日本、コロンビアに2―1 W杯初戦

変化のカギは「活発な討論」

 日本がここまでやれると、だれが考えていただろうか。

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、1次リーグH組の日本は19日、ロシア西部の都市サランスクで行われたコロンビアとの初戦を2―1で制し好スタートを切った。

 監督交代が大会2カ月前。チームづくりは実質5月下旬からの3週間にすぎなかった。しかし、時間的な制約を感じさせないほどチームは充実していた。

 前半6分の先制点は速攻から。香川選手の縦パスに大迫選手が抜け出し、最後はPKを得て、コロンビアDFの退場まで引き出した。速攻の得点はハリルホジッチ前監督の下でもみられたが、ここからの変化が真骨頂だ。

 得点後、やや受けに回って失点したが、最後までボールをつなぎ、攻めの姿勢を持ち続けた。試合後、西野監督は「リアクション(受け身)だけにならずに、自分たちでボールを持ち、ゴールを目指す構成を考えていた」と明かした。

 なぜ短期間で変われたのか。6月初め、監督はミーティングで意見を求めると選手もそれに応え活発に討論したという。監督は「一方的にならず、意見を合わせられて良かった」。主将の長谷部選手も「お互いに発言ができて、すごくいいミーティングだった」と話した。

 双方向のチームづくりは、さらなる好循環をつくった。選手同士の活発な意見交換が生まれ、チームの弱点を埋め、その完成度を高めた。

 選手が主人公のチームづくりがどれだけ、その潜在的な力を引き出すのか。日本代表の実践はスポーツのあるべき姿を見事に映し出している。(和泉民郎)


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