2018年6月13日(水)
「働き方」法案 残業代ゼロ「人材逃す」
参考人質疑 経営者からも批判
参院厚労委
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「働き方改革」一括法案について、12日に行われた参院厚生労働委員会での参考人質疑で、5人のうち経営者の参考人も含め4人から「残業代ゼロ制度」(高度プロフェッショナル制度)への批判的意見が相次ぎ、徹底審議が必要であることが浮き彫りとなりました。日本共産党から倉林明子議員が質問に立ちました。
全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表世話人は、「いまでも過労死認定の壁は高い。高プロは労働時間の把握義務がなくなり、認定されなくなる」と危険性を訴えました。
日本労働弁護団幹事長の棗(なつめ)一郎弁護士は、「高プロは労働者に裁量があるか法文で明確ではない。仕事が終わっても新たな仕事が降ってくれば断れない」と問題視。連合の逢見直人会長代行も「高プロ創設は実施すべきではない」と明言しました。
コンサルティング会社社長の小室淑恵(よしえ)氏は、「残業代ゼロ制度」導入について「いい人材を逃すだけになるだろう。私たちがコンサルタントしている企業では、できる状態ではない」と述べました。
唯一、導入に賛成した経団連の布山祐子労働法制本部上席主幹は、法案への世論調査が「賛成」14%、「反対」32%、「どちらともいえない」44%(NHK)だと聞かれ、「なぜなのか答えにならないが周知に努力したい」と労働者の理解を得られないことに答えられませんでした。
倉林氏の質問に、安倍首相への面会を求める寺西氏は「人として命の問題を考えてほしい」と話しました。
導入で労働時間把握が困難になるかについて、逢見氏は「裁量労働制は、現に長時間労働の温床になり、しっかりした労働時間の把握ができなくなっている」と答えました。