激戦　新潟県知事選

再稼働ノーの声は池田さんに

　東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非を最大の争点にした新潟県知事選は、１０日の投開票まで１週間に迫りました。「現状では再稼働に同意できない」と明確に掲げ、市民と野党が推す池田ちかこ候補（日本共産党、立憲民主、国民民主、無所属の会、自由、社民など支援）と、原発推進の自民・公明が支持する候補者との事実上の一騎打ちは、文字通り大激戦です。池田候補勝利で再稼働ストップの県民の意思を示せるかどうか―。安倍晋三政権への国民の批判がわき上がる中、国政にも大きな影響を与える知事選勝利へ支援を広げることが重要です。

官邸いいなりにならぬ人

　柏崎刈羽原発６、７号機をめぐり昨年末、原子力規制委員会は再稼働の前提となる新規制基準に「適合」するとしたことで、政府と東電は福島第１原発事故に無反省のまま、再稼働の動きを加速しようとしています。しかし最近の世論調査でも再稼働「反対」が７割近くに上っており、県民の再稼働ノーの願いは切実です。

　県民の思いを託せるのは「現状では原発再稼働に同意できません」とはっきり主張する池田候補だけです。福島原発事故について新潟県独自に行っている「検証」がされない限り県民の安全は守られないと、再稼働を認めない立場は明快です。さらに「官邸の言いなりになりません」と明言し、安倍政権からの再稼働圧力をはね返す姿勢を打ち出しています。

　池田候補は「原発のない新潟、日本」を訴え、原発ゼロの実現へ再生可能エネルギー中心に切り替えるとともに、原発に代わる新しい産業や雇用を検討する会議の発足を掲げています。池田候補の「新潟のことは新潟で決める」という主張は、原発立地自治体の住民も含めて共感を広げています。原発ゼロ基本法案を提起した原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟の顧問、小泉純一郎元首相も池田候補にエールを送っています。

　自・公が支持する花角英世候補は「原発に依存しない社会」といいます。しかし、原発を推進する国の「エネルギー基本計画」案に盛り込まれた方針に理解を示し、原発は「当座は必要だろう」と地元紙に明言しています。エネ計画は柏崎刈羽原発を含む全原発の再稼働が大前提です。原発推進の安倍政権丸抱えの候補に県民の願いは託せません。エネ計画にきっぱり反対する池田候補の勝利こそ「原発ゼロ」への確かな力です。

　柏崎市職員、市議、県議とずっと地方の立場で仕事をしてきた池田候補は、草の根の声に寄り添ってきた政治家です。前県政が進めた全国屈指の「給付型奨学金」の拡充、新潟の農業をＴＰＰ（環太平洋連携協定）から守るなどの公約も期待を集めています。