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日本共産党

2018年5月27日(日)

職場問題学習・交流講座

山下副委員長の報告(要旨)

 「職場問題学習・交流講座」で26日、山下芳生副委員長・職場対策委員会責任者が行った報告(要旨)を紹介します。


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(写真)報告する山下芳生副委員長=26日、党本部

 はじめに山下氏は、この講座の準備にあたり、職場支部のリアルな現実から出発し、ともに知恵と力をあわせて打開方向を探求するという基本姿勢で、全国88の職場党組織から聞き取りを行ったと紹介し、「職場支部の活動を一歩でも二歩でも前進させるため、進んだ経験をお互いに学び合い、困難をリアルに見て打開の方向をともに探究したい」と述べました。

労働者の状態と党綱領の生命力

 報告の第一の主題は、労働者の状態と党綱領の生命力についてです。

 山下氏は、調査を通じて民間、公務を問わず非正規雇用が増え、長時間労働がはびこり、「人間らしい雇用と労働が根底から破壊されていることを痛感した」と述べ、本来、まともな職場なら当たり前に果たしていた「労働者を育てる」などの役割が果たせなくなりつつあり、企業と社会のまともな発展の障害となっていると指摘しました。

 その背景に、「財界・大企業の経営戦略とそれに追随する自民党政府の経済政策の行き詰まりがある」と明らかにし、職場が本来の役割を果たせなくなっているもとで、たたかえば、部分的ではあっても要求を実現できるチャンスが広がっており、そのなかで労働組合の果たす役割が大きくなっていると強調しました。こうしたなかでナショナルセンターの違いを超えた共同も生まれていると述べ、「労働組合グループはもちろん、すべての職場支部と党員が労働組合のなかで大いに奮闘しよう」と呼びかけました。

 職場の現状に「企業や産業に明るい未来はあるのだろうか」と胸を痛める労働者が広がっています。山下氏は「ルールある経済社会」への転換、資本主義の枠内での民主的改革を掲げる党綱領の内容が、管理職を含む広範な労働者と響き合う情勢となっているいくつかの経験に触れ、「党綱領が職場で生命力を発揮していることに確信を持ち、職場で党の旗を高く掲げて奮闘しましょう」と訴えました。

労働者の“拠り所”党の灯を明るく大きく

 報告の第二の主題は、職場での党づくりです。

 12年前の第1回「職場講座」では「労働者と日常的に結びつき、人間的信頼関係をつくる」ことが呼びかけられました。

 競争をあおり、労働者の連帯を破壊する成果主義が職場に持ち込まれるもとで、党員と党支部による「出発点はあいさつから」の努力が若い世代の労働者から切実に求められ、人間的な連帯の“拠(よ)り所”になっています。

 山下氏は、党員と党支部の「いい仕事をしたい」との要求にこたえる活動が若い労働者に歓迎され、その成長の“拠り所”となり、またそれが、党への「入り口」となっている様子を、具体的な経験に触れて紹介。「党綱領の内容が労働者と響き合うだけでなく、党員と党支部の存在と活動が、労働者と響き合っています」と力を込めて語りました。

 職場での党づくりで前進している党組織の共通点として、党づくりの意義を自分たちの職場に引き付けて、「自分たちの職場をこう変えたい。そのためにも日本の政治をこう変えたい」との見地から、しっかり討議し、みんなのものにしていることを浮き彫りにしました。

 労働者の要求を大切に、人間的交流を深める場としての「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」や、深刻な事態が進行している職場の党員に歓迎されている「楽しく元気の出る支部会議」の工夫や努力も丁寧に紹介し、職場で労働者の“拠り所”となる党の灯をさらに明るく大きくしていくロマンと展望を語りました。

 山下氏は、人生をかけて職場でたたかい、退職してもなお、職場の灯を次の世代につなぐために奮闘しているOB・OG党員に向けて「輝く経験を生かして世代的継承を何としてもやり遂げましょう」と呼びかけ、労働者を党に迎え、その成長を見届けたうえで、新たな部署で活動してほしいと訴えました。

党機関の指導と援助について

 報告の第三の主題は、職場支部に対する党機関の指導と援助の問題です。

 第1回「職場講座」以来、党機関は、三つの基本姿勢((1)困難な条件のもと不屈に奮闘してきた同志に心からの敬意をもって接し、苦労に心をよせ、実情を聞くこと、謙虚に学ぶことから仕事をはじめる、(2)職場支部を短期の目で見ずに、長期の目で職場支部を強め、継承していくための手だてを一緒にとる、(3)職場支部の活動を励ます党機関としての独自のとりくみをおこなう)を堅持・発展させ、変化をつくりだしてきました。

 第27回党大会が「6000万人の労働者階級の中に強く大きな党をつくる仕事を、職場支部と全党の共同の事業としてとりくむ」ことを提起したことに触れて、空白職場に党をつくる貴重な経験が生まれていると述べ、「6000万人の労働者のなかに党をつくる仕事に、地域支部も含めて党全体であたることに党機関として大いに挑戦しよう」と提起しました。

参院選・統一地方選勝利めざして

 第四の主題は、来年の参院選と統一地方選の勝利をめざす活動です。

 すべての職場支部が、「850万、15%以上」という参院比例の全国目標に即して支持拡大目標を決め、「全国は一つ」で達成することをあらゆる党活動発展の軸にすえようと提起。新しい「入党のよびかけ」を積極的に活用し、少なくともすべての職場支部が7月末までに「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」にとりくみ、7月末までに党員、「しんぶん赤旗」日刊紙読者、日曜版読者で前回参院選時を回復・突破する目標を決め、全力でとりくもうと呼びかけました。


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