2018年5月26日(土)
高プロに残業上限なし
高橋氏追及 厚労相はぐらかし
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「働き方改革」一括法案を審議する衆院厚生労働委員会で25日、日本共産党の高橋千鶴子議員は、高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)には、労働時間に上限がない問題や、長時間労働がまん延している研究開発業務を対象にすることの問題をただしました。加藤勝信厚労相は、答弁をはぐらかす不誠実な態度に終始しました。
高橋氏は、健康管理時間(残業相当)で医師面接を課すのはなぜ100時間に達してからなのかと質問。加藤厚労相は、「労働政策審議会の建議で100時間が適当とされている」と言うだけで、100時間に決定するかも「今後検討する」と述べるにとどまりました。健康確保措置の選択肢のひとつにある、残業相当の上限では、加藤厚労相は「(過労死ラインの)80時間、100時間を考慮する」と答えました。
高橋氏は、選択肢で上限を選ばなければ「高プロは医師が面接さえすれば、何百時間働かせてもよい」と指摘し、労働時間に上限があるのかとただしました。
加藤厚労相は、「医師が面接し、対応する」となどというだけの答弁を繰り返し、上限の有無を一言も答えませんでした。結局、事業者が医師から意見を聞いたり、医師の勧告内容を衛生委員会に報告するだけで、残業にストップがかかる保障はないことが分かりました。高橋氏は、「実効性は何もない」と批判しました。
労働時間データの2割削除の再集計によって、高プロ対象のひとつに挙げられる研究開発業務で、残業が大臣告示(月45時間、年360時間)を超えている労働者が3割から5割へ増加しました。
高橋氏は、「長時間労働だと分かっている業務を規制も割増賃金もない高プロに入れていいのか」と追及。加藤厚労相は、「ストレートに比較できない。年収要件などがある」などと答弁。高橋氏は、「総理が他よりも強い制度といった健康確保措置も担保にならない。徹底審議が必要であり、このまま採決など到底認められない」と批判しました。