しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年5月20日(日)

全国革新懇第38回総会

市民連合・山口二郎氏あいさつ(要旨)

 19日の全国革新懇第38回総会で、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」を代表してあいさつした山口二郎法政大教授のあいさつ(要旨)を紹介します。

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(写真)あいさつをする山口二郎法政大学教授=19日、東京都千代田区

 市民と野党の協力で安倍政権を倒す、憲法を守るという運動を2016年の参院選挙前から進めてきました。市民と野党の共同・共闘には革新懇のみなさんに大変なご尽力をいただいており、深い敬意を申し上げます。

 日本の政治の劣化は前代未聞です。今年3月、森友、加計問題でさまざまな犯罪が明らかになりました。もう安倍政権も終わりかと思いましたが、恥を知らない人たちというのは、本当に始末におえない。これだけの権力犯罪が露呈したにもかかわらず、まだ安倍政権は権力の座にしがみついています。

 最近の国会論議はSFの世界といいますか、フランスの不条理劇のようです。言葉が全然通じない。日本語が崩壊している。議論をそもそも否定するような状況です。これが続くと、ばかばかしくなって政治を論じることがいやになる。おかしいことをおかしいという人間が無力感に陥る。これが安倍政権の狙いでしょう。力を使わない言論の抑圧。安倍政権は21世紀型の言論の抑圧を発明した。とんでもないことです。

 学者の世界に関しても「反日的」な学者に公的な研究費を出すのはけしからんという議論があります。安倍政権を批判する学者を「反日的」「国益に反する」とはとんでもない思い上がりです。むしろ私もみなさんも、民主主義や憲法を破壊する安倍政権を批判することこそが、国益なわけです。事態は、1935年の天皇機関説事件を想像させます。学者が孤立し、黙らされる。自由が失われ、軍国主義・全体主義がはびこった歴史を繰り返してはいけません。

 来年の参院選では1人区で一本化するだけはなく市民と野党の力で、一人でも多くの候補を勝たせましょう。参院でねじれ状態をつくりだすことが、安倍改憲策動を防ぐ最も有効な手だてです。このたたかいは、従来の立場を超えて、日本の憲法、民主主義、近代社会として当然あるべき良心、これを守るかどうかです。革新懇のみなさんが、地域レベルで立場を超え、民主主義を守る運動を広げていくことを心からお祈り申し上げます。


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