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日本共産党

2018年5月19日(土)

賃上げへ教員立つ

全米6州目 ノースカロライナでも

 【ワシントン=遠藤誠二】教員の賃上げを含む教育予算の充実を求め、米南部ノースカロライナ州でも教師が立ち上がりました。約2万人の教員が16日、州都ローリーに集結。全米で下位にある州教育予算を引き上げるよう、州と州議会に要求しました。


地図:教育予算の増額を求めて教員が立ち上がった州

 現地からの報道によると、州内の40学区の教員が授業を終日ボイコットし、100万人の児童・生徒の授業が取りやめとなりました。全米教育協会(NEA)によると、同州の児童・生徒1人あたりの年間教育予算は全米50州中38位。教員の年間平均賃金は全国平均より約1万ドル(約110万円)低く同39位となっています。

 16日、2万人の教員は赤いTシャツを着て、「生徒のための行進」と名付けたデモに参加。「われわれの未来にお金を充てて」などと書いたプラカードを持ち州議会議事堂周辺を行進しました。

 その後の、「尊厳のための集会」では、クーパー州知事(民主)が参加し、教育予算の引き上げを約束。知事は同時に、秋の中間選挙で有権者は「真に公教育を支持する候補に一票を投じるよう」呼び掛けました。

 米国ではこの間、他の5州(地図)でも教員がストなどを通じ、賃上げと教育予算の引き上げを要求。アリゾナ州では3日、1週間のストの後、デュシー知事(共和)が教員賃金の2割増などを盛り込んだ予算案に署名。教員側が勝利しました。

 これらの州のほとんどは共和党が強く、2016年の大統領選挙ではコロラド州以外ではトランプ候補が勝利しました。

 トランプ政権は教育長官に公教育充実に否定的なデボス氏を起用し、教育予算も大幅に削っています。

 中間選挙に向け、予算削減で深刻な影響を受けている教員が公教育の充実に後ろ向きな政党・候補に反旗を翻しています。


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