2018年5月10日(木)
米、イラン核合意 離脱
トランプ氏 米国第一で孤立鮮明
【ワシントン=池田晋】トランプ米大統領は8日、ホワイトハウスで演説し、イランの核開発を制限するため2015年に米英仏独中ロの6カ国とイランの間で結ばれた核合意から離脱すると表明しました。表明後、合意に従い解除されていた対イラン制裁を復活させ、合意への関与をやめる大統領令に署名しました。
英仏独の欧州3カ国はこの間、トランプ氏が離脱を思いとどまるよう説得。しかし、地球温暖化対策のパリ協定離脱、エルサレムの首都認定に続き、国際協調を犠牲にしても大統領選で掲げた自らの「米国第一」の公約を貫く姿勢を改めて示しました。米国以外の合意参加国はイランも含めて、現在の核合意を履行し続ける意向を示しており、米国の孤立は鮮明です。
トランプ氏は同日の演説で、イラン核合意について「ひどい一方的合意」であり、「現在の合意の腐った仕組みの下では、イランの核兵器を阻止できない」とこき下ろしました。
またトランプ氏は現在の合意上の核開発制限が一定年数後に失効することに加え、イランの弾道ミサイル開発や敵対行為を何ら対象にしていない点も問題視。「新たな永続的合意」の実現に向けて、過去に解除した制裁の再発動に加え、「最高レベルの経済制裁を導入する」とし、対イラン圧力を強める考えを示しました。