しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年4月28日(土)

主張

「働き方」審議強行

異常に拍車かける暴挙許せぬ

 公文書の改ざんや隠ぺい、データねつ造などで厳しい批判を浴びている安倍晋三政権と自民・公明の与党が、「働き方改革」一括法案の衆院審議入りを強行しました。日本共産党など野党6党の抗議を無視した暴挙です。次々噴出する国政の基本に関わる大問題について、安倍政権は解明にも背を向け、責任の明確化もせずに居直り続け、その態度が国会の異常事態を招いているというのに、新たな法案審議に踏み切るなど言語道断というほかありません。自ら引き起こした国会の事態を打開しようともせず、異常に拍車をかける安倍政権と与党の姿勢は重大です。

議論の前提が崩れている

 政権が今国会の最重要法案と位置付ける法案の審議入りだというのに、衆院の本会議場にいるのは、ほとんど内輪の議員―。まともな審議とはほど遠い異常な状況を浮き彫りにした光景です。

 国会をこんな事態に陥らせた責任はあげて安倍政権・与党にあります。野党が要求する真相解明などには「ゼロ回答」で、公文書改ざんや前次官セクハラ問題で進退が問われている麻生太郎財務相の責任は不問にしています。どの世論調査も疑惑の関係者の証人喚問を求める声が圧倒的多数なのに、それにこたえない安倍政権・与党の国会と民意の無視は深刻です。

 公文書改ざんやデータねつ造、隠ぺいを重ねたことに無反省な政権の姿勢は審議の土台を崩すものです。国会に出された資料が虚偽だったというのでは、まともな議論ができるはずがありません。

 とりわけ審議入りした「働き方改革」一括法案は、まさにデータねつ造が大問題になったものです。いくら働いても「みなし労働時間」分しか賃金を支払わない裁量労働制の拡大という法案の根幹部分のデータねつ造が発覚し、国民の批判が沸き上がる中で裁量制拡大の削除に追い込まれました。しかし、データねつ造の経過や責任の所在はいまも明らかになっていません。野村不動産で裁量制を違法に適用された社員が過労自殺していたのに、厚生労働省が事実を隠ぺいしていたことなども追及されています。国民の健康と命に関わる問題でもデータをねつ造し都合の悪い事実を隠す―。このような安倍政権に「働き方」に関わる法案を提出する資格はありません。

 法案の大きな柱の「残業代ゼロ制度(高度プロフェッショナル制度)」は、裁量労働制以上に長時間労働と過労死を激増させる温床になる仕組みです。「残業時間の上限規制」も過労死ラインの残業まで容認するとんでもない中身です。「同一労働・同一賃金」にも賃金格差を温存し固定化するとして批判が相次いでいます。まさに財界要求に沿った「働かせ方」大改悪です。そんな悪法を「一括」して一気に押し通そうとすること自体大間違いです。安倍政権は法案をきっぱり断念すべきです

窮地の政権を追い込み

 「朝日」世論調査では「働き方」法案を今国会で成立させる「必要がない」は6割を超えています。過労死遺族の人たちが怒りの声を上げ、ナショナルセンターの違いを超えた法案反対の取り組みも広がっています。「目玉」法案の国会審議入りが大幅に遅れ、日程が綱渡りになるほど安倍政権は追い詰められています。世論と運動を広げ、廃案に追い込む時です。


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