2018年4月20日(金)
日米首脳会談について
志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は19日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相とトランプ米大統領が米国で行った日米首脳会談について次のようにのべました。
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一、トランプ米大統領は、南北首脳会談で朝鮮戦争の終結を議題にすることに強い賛意を示した。今後の一連の首脳会談で、朝鮮半島の非核化とともに、朝鮮半島の永続的な平和への道筋をつけることへの意欲を表明した。ここが今回の日米首脳会談の最大の注目点である。
朝鮮半島の非核化と一体で、地域の平和体制の構築をすすめることは、わが党が要請した方向であり、理にかなっている。南北、米朝首脳会談が大きな成果をあげることを重ねて強く期待する。
安倍首相は、トランプ大統領が対話に踏み出すもとで、それに従う姿勢をとっている。しかし、日本政府として北朝鮮問題の解決に向けた主体的な外交戦略を持っていない。このことが、大きな問題であることが日米首脳会談をつうじて浮き彫りになった。
一、トランプ大統領が、拉致問題の解決を、米朝首脳会談で主張すると表明したことは、肯定的に評価したい。
同時に、この問題は「米国頼み」では解決できない。日朝両政府間の交渉が必要になる。この点では、安倍首相が、共同記者会見で、日朝平壌宣言に基づいて、核・ミサイル、拉致、過去の清算などの諸懸案を包括的に解決することによって、国交正常化への道が開けてくるとのべたことに注目している。
対話による平和的解決の歴史的チャンスが生まれているもとで、日本政府に求められているのは、このチャンスを生かすための主体的な外交戦略を確立し、積極的な外交努力に踏み出すことである。
一、日米経済関係では、トランプ大統領が、「アメリカ第一」の立場から、一方的な鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を行いながら、「TPPに戻りたくない」「2国間協議がいい」と明言するもとで、日米の新たな経済協議の枠組みをつくることで合意したことは、きわめて重大である。
新たな経済協議の枠組みが、「アメリカ第一」を掲げるトランプ政権の身勝手な対日要求の「受け皿」とされる危険がある。TPP交渉で譲歩した線をスタートとして、日米FTA交渉で際限のない譲歩を迫られることが強く危惧される。
各国の食料主権、経済主権を尊重した平等・互恵の経済関係を発展させる道にすすむことを強く求める。