2018年4月18日(水)
実態把握 調査不十分
倉林氏 長時間労働の指導問題視
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日本共産党の倉林明子議員は17日の参院厚生労働委員会で、野村不動産への「特別指導」について、安倍政権の実績づくりのために長時間労働の実態把握が不十分なまま特別指導を行った疑いをただしました。
違法な長時間労働の企業名公表の基準では、残業時間を決めた「三六協定」に違反し、月80時間以上残業した労働者が1事業所で10人以上または4分の1以上に達することなどを要件としています。
倉林氏は、加藤勝信厚労相が野村不動産について公表基準に該当していないと答弁していることについて、「どの要件に該当しなかったのか。基準を超えても出さないなら長時間労働隠しの批判は免れない」と指摘しました。
加藤厚労相は、「ひとつひとつどこに当たるか、当たらないか申し上げていない」と述べ、答えませんでした。
野村不動産の事業所を各労働基準監督署が立ち入り調査したのは昨年11~12月と考えられ、特別指導は12月25日です。
倉林氏は、「裁量労働制の実労働時間の把握は困難だ。野村不動産の過労自殺の労災認定には半年以上かかっている。特別指導を12月25日に決め、違反実態を十分つかめないままだったのではないか」と問題視。「裁量労働制違法適用の指導実績がほしかったのは安倍首相だ」と追及すると、加藤厚労相は、官邸の関与を「まったくない」と否定しました。
倉林氏は、「労働行政のルールを踏みにじった。裁量労働制の乱用が過労死を生んだことを教訓とし、『働き方改革』一括法案は撤回すべきだ」と主張しました。