2018年4月14日(土)
統幕文書 削除部分に現首相秘書官
衆院委 穀田氏「現政権の問題」
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日本共産党の穀田恵二議員が明らかにした防衛省の内部文書が一部削除されて公開されていた問題で、当初削除されたページに記された在沖縄米軍基地の日米共同使用にかかわる検討会議に、島田和久・現首相秘書官らが参加していたことが分かりました。穀田氏は13日の衆院安全保障委員会で、官邸関係者の関与を隠すために同文書を改ざんした疑いがあると指摘しました。
同文書は、防衛省統合幕僚監部防衛計画部が2012年7月に作成した「日米の『動的防衛協力』について」と題する内部文書で、穀田氏が15年に入手。名護市辺野古の新基地を含む米軍キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなどを陸上自衛隊が恒常的に共同使用する計画が示されています。
ところが、昨年5月5日の同名文書の情報公開請求を受け同年7、9両月に開示された同名文書は、共同使用の「検討状況」などのページが抜き取られていました。穀田氏は、削除されたページに記されていた12年6月8日の「内幕課長級懇談」に当時の防衛政策課長の島田氏、日米協力課長の中嶋浩一郎氏(現沖縄防衛局長)、さらに黒江哲郎防衛政策局次長(後の防衛事務次官、現国家安全保障局国家安全保障参与)が参加していたことを明らかにしました。
穀田氏が3月30日の衆院外務委員会でページ削除を指摘し、「改ざんだ」と追及したことを受け、防衛省は4月2日、「別の文書が見つかった」として、このページが含まれている2件の文書を公表しました。穀田氏は「こうした経緯から、私が示した文書は真正であることが証明された」と述べ、あらためて改ざんを指摘しました。
小野寺五典防衛相は「民主党、野田政権時の文書を書きかえる必要があるのか」と否定しましたが、穀田氏は、第2次安倍政権発足後の13年2月に作成された防衛省の検討資料に在沖米軍基地の共同使用の「議論を継続」と明記されていることを挙げ、反論しました。
穀田氏は、15年3月の予算委で同文書を暴露したのに対し、安倍晋三首相や当時の中谷元防衛相が「(辺野古新基地での)恒常的な共同使用は考えていない」などと完全否定していたことに言及。同予算委に出席していた黒江氏をはじめ、いずれも在沖米軍基地の共同使用計画の協議内容を知る立場にあったことから、安倍首相の答弁との整合性をはかるため自らの関与を示す「検討状況」などのページを隠す必要があったのではないかと迫り、「ことは現政権の問題だ」と徹底究明を求めました。
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統幕内部文書「日米の『動的防衛協力』について」をめぐる経緯
15・3・3 穀田議員が衆院予算委で文書を暴露
4・9 防衛省が「文書の真贋(しんがん)含め回答を差し控える」と見解
17・7・9 防衛省が情報公開請求に対して一部を削除して開示決定
18・3・30 穀田議員が衆院外務委で文書の改ざん疑惑を追及
4・2 防衛省が同名の2文書を新たに公開
4・6 小野寺防衛相が会見で改ざん否定