2018年4月12日(木)
森友疑惑 値引きの妥当性答えず
森友学園との国有地取引をめぐって安倍首相は、8・2億円値引きの妥当性を問われ「私が直ちに答弁する立場にない」などと答弁を拒否しました。
首相は昨年3月の質疑では「そういう価格になったのは至極当然だ」と明言しています。値引きの根拠とされたごみの撤去費について、財務省が学園側との「口裏合わせ」を認めるなか、答弁を修正し予防線を張った形です。
財務省の太田充理財局長は、ごみ撤去費について「全体としてはっきりしていない」などとする文書を昨年2月に作り、学園側に署名を求めたことを認め、「対応は行きすぎだった」と陳謝しました。学園側は署名を拒否したといいます。
太田局長は、取引をめぐる改ざん前の決裁文書に安倍首相の妻・昭恵氏の名があったことについて、決裁した18人の一人、中村稔理財局総務課長が「そこ(昭恵氏の名前)まで見ていなかった」と述べたことも明らかにしました。
質疑では、昨年2月22日に大臣官房総括官だった太田局長と、佐川宣寿理財局長、中村課長が、菅義偉官房長官に国有地取引の経緯を説明した際、昭恵氏付政府職員の谷査恵子氏から財務省の田村嘉啓国有財産審理室長に送られたファクスについても報告されたことが分かりました。
太田局長は、自身が当時、昭恵氏の名が書かれた決裁文書を読んでいたかを明言しない一方、決裁文書やその改ざんについて「話題は一切なかった」と断言。「メモ取りの職員はいなかった」「メモは存在しない」とも述べました。
太田局長はまた、財務省が昨年2月、報道機関に積極的に発言する学園の籠池泰典前理事長を問題視し、学園側弁護士に「ワンボイス(情報発信源の一元化)にした方がいい」と持ちかけていたことを認めました。籠池氏はその後、一時的に身を隠し、同省の指示を受けた弁護士に助言されたと話しています。