2018年4月11日(水)
「特別指導」実態公表せよ
野村不動産の過労自殺 倉林氏が要求
|
日本共産党の倉林明子議員は10日の参院厚生労働委員会で、野村不動産の裁量労働制違法適用に対する「特別指導」について、違法実態の詳細を公表し、過労自殺事件との関係を明らかにするよう求めました。
倉林氏は「違法な長時間労働の企業名の公表基準には、教訓を周知する意味がある」と指摘。「野村不動産に公表基準以上の長時間労働はあったのか、それとも裁量労働制の下で実労働時間把握を正確にできなかったのか」とただしました。
勝田智明東京労働局長は「特別指導は公表基準に当てはまらないが、答えは差し控える」と答弁。加藤勝信厚生労働相は「公表基準にも、実態をどこまで書くか特段の記載はない」と述べました。倉林氏は「指導の中身が出ないことが疑惑を深めている。加藤厚労相への報告の黒塗りの開示を求める」と強調しました。
倉林氏は、「『過労死等ゼロ』緊急対策」のなかに、メンタルヘルス対策で企業本社へ「特別指導」できる規定があると指摘。「野村不動産に、(過労自殺など)精神疾患の複数の労災認定やその見込みがあったのではないか」と追及しました。勝田局長は「メンタルヘルス対策が必要だったのかは、現時点で答える状況にはない」と答えました。
倉林氏は、勝田局長が自らの判断で特別指導を行ったと答弁していることに関連して、「特別指導はやってもいいか相談したのか」と質問。勝田局長は「(東京労働局の)担当から本省の労働基準局に相談した」、加藤厚労相は「私のところに事案が上がってきて相談があり、そうした方向に了としている」と答えました。
倉林氏は「裁量労働制の違法適用の現場で自殺となれば、『働き方改革』一括法案にブレーキがかかった。電通事件の教訓を無視して過労死隠しになったのではないか、説明責任がある」と強調しました。