しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年4月11日(水)

主張

隠ぺい・改ざん

説明不能の政権退陣しかない

 安倍晋三政権で噴出している、隠ぺいや改ざん、ねつ造についての国会審議が続いています。森友学園への国有地格安払い下げに関わる財務省の公文書改ざん、イラク派兵や南スーダンPKOに関わる自衛隊の「日報」隠ぺい、厚生労働省のデータねつ造など、まさに底なしです。加計学園をめぐる首相官邸の関与・隠ぺい疑惑も新たな展開を見せています。一体だれが何のために改ざんや隠ぺいを行わせたのか。首相や関係閣僚は肝心な部分については説明しません。都合の悪いことは隠ぺい・改ざんする内閣に政権担当の資格はなく、退陣が不可欠です。

「官僚に責任」は通用せぬ

 大阪の学校法人「森友」に国有地がただ同然で払い下げられ、貸し付けや売却に関わる公文書が改ざんされて国会に提出されていたことは、国民主権と民主主義を破壊する歴史的犯罪行為です。先日行われた佐川宣寿前財務省理財局長の証人喚問でも、値引きや改ざんをだれが行わせたのか、目的は何か、明らかになっていません。

 9日の参院決算委員会の質疑では太田充・現理財局長が、職員が国有地にゴミが大量にあったことを見せかける虚偽説明を「森友」にさせようとしたことは認めました。しかし、首相や妻の昭恵氏、麻生太郎財務相らの関与は認めません。先週の質疑では、昨年2月17日に首相が「私や妻が関係していれば首相も国会議員もやめる」と答弁した後の22日、菅義偉官房長官が佐川氏や当時総括審議官だった太田局長らと協議したことが、虚偽答弁や文書改ざんの発端になったのではないかとも指摘されています。官僚に罪をなすり付け、自らの責任は認めない卑劣極まる態度は通りません。昭恵氏ら関係者を国会へ招致し自らの口で語ってもらうしかありません。

 陸上自衛隊だけでなく航空自衛隊でも明らかになったイラク派兵に関わる「日報」隠ぺいは、政権が自衛隊という実力組織を掌握できていないことを浮き彫りにした、文民統制を揺るがす大問題です。首相は「自衛隊の最高指揮官としておわびしたい」と口先では繰り返しましたが、小野寺五典防衛相は、「当時の稲田朋美防衛相の指示が正確に伝達していなかった」と官僚に責任を押し付ける態度です。伝わっていなかったのではなく隠ぺいを許したのであり、首相や防衛相の責任は重大です。

 決算委や参院外交防衛委員会、衆院安全保障委員会の質疑などで、自衛隊の「日報」隠ぺいは「戦場」の危険な実態を隠すためではなかったのかと追及されたのにも、小野寺氏は答えません。隠ぺいや改ざんが政権にとって「不都合な真実」を隠すために行われた疑いはいよいよ明白です。

強権政治の毒噴き出す

 11日には衆院予算委員会での集中審議も行われます。「森友」文書の改ざんやイラク派兵の「日報」隠ぺいにせよ、データねつ造にせよ、安倍政権の国政私物化、「強権政治」の毒が全身に回っています。隠ぺいや改ざんが主要官庁にわたっていることからも、特定の官庁の官僚の責任に帰することができないのは明らかです。

 安倍政権が国政を私物化し、「強権政治」を押し通すために行ってきた隠ぺいや改ざんの責任は、安倍首相をはじめ内閣が総辞職することでしか果たされません。


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