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日本共産党

2018年3月30日(金)

「ブラック校則」は人権侵害

理不尽な指導の背景に文科省通知あり

参院委で吉良氏 「撤回を」

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(写真)質問する吉良よし子議員=29日、参院文科委

 日本共産党の吉良よし子議員は29日の参院文教科学委員会で、生徒の心身を傷つける「ブラック校則」の実態を告発するとともに、厳罰で処する生徒指導(ゼロ・トレランス=寛容度ゼロ=方式)の撤回を求めました。

 吉良氏は、「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」が行った実態調査に基づき、「社会通念に照らし合理的でない校則は見直すべきだ」と求めました。林芳正文科相は「校則は絶えず積極的に見直すべき」だと述べた上で「児童生徒が何らかの形で参加した上で決定するのが望ましい」と答弁しました。

 調査では「下着の色が決められている」校則もありました。「服装検査のときは別室でブラウスの前を開けてスカートをめくって女性教師がチェック」し、男性教師が確認や指導した例もあります。吉良氏は「セクハラ、パワハラ、人権侵害ではないか」と強く批判し、林文科相も「自尊感情の低下を招き、児童生徒を精神的に追い詰めかねない」と懸念を示しました。

 吉良氏は、この10年で理不尽な指導が増えていると指摘。その背景に2006年の「児童生徒の規範意識の醸成に向けた生徒指導の充実について」とする、違反行為に罰則を厳格適用する「ゼロ・トレランス方式」に基づいた生徒指導を求める通知があると告発しました。

 通知を受けて「別室指導」「特別指導」等の罰則が細かく決められたのは広島県福山市です。吉良氏は、指導から逃げた女子生徒が教員の手を振り払っただけで「対教師暴力」だと警察に逮捕された事例を紹介。「子どもと教師の関係が崩され、学ぶ権利まで奪われている。(ゼロ・トレランス方式を推奨する)通知は撤回するしかない」と強く求めました。


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