2018年3月29日(木)
論戦ハイライト
「森友」幕引き許さない 安倍政権を追撃
二重三重の疑惑隠ぺい
参院予算委 小池書記局長が追及
28日の参院予算委員会で、学校法人「森友学園」との国有地取引の経緯をめぐり、決裁文書と政府答弁の矛盾を追及した日本共産党の小池晃書記局長。佐川宣寿前財務省理財局長の証人喚問をふまえ、問題の核心は安倍晋三首相夫妻による国政私物化疑惑だとして、さらなる関係者の証人喚問と国政調査権の発動を求めました。
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「記録ない」は虚偽答弁
小池氏が取り上げたのは、2017年3月1、2両日の同委員会での自身の質疑です。独自に入手した自民党・鴻池祥肇参院議員事務所の面談記録をもとに、15年1月9日に財務省近畿財務局の職員と森友学園理事長(当時)の籠池泰典被告=詐欺罪で起訴=が、土地の貸付料について話し合ったのは事実かと追及。当時の佐川氏は「記録は残っていない」と6回も繰り返し、事実を認めませんでした。
小池氏は、改ざん前の決裁文書に「H27.1.9 近畿財務局が森友学園を訪問し、国の貸付料の概算額を伝える」と明記されているとして「虚偽答弁だ」と強調。記述は17年4月4日に改ざんされた理財局の決裁文書にもあり「昨年3月の時点で改ざん前の決裁文書が残っていたはずだ」と指摘して、27日の喚問で佐川氏は、担当課の想定問答を読んで答弁したと述べたが、それなら「担当部局(課)はなぜ決裁文書と正反対の答弁書をつくったのか」と追及しました。
小池 太田充理財局長は「当時の決裁文書を前提に答弁書をつくるのが基本」と答弁している。職員は答弁と正反対の決裁文書があることを佐川氏に伝えたか、そういう文書があることを隠していたことになる。
太田 答弁書は過去の答弁や細かい事実関係も確認してつくっている。
小池 私は1月9日の面会に絞って聞いた。それが決裁文書に明記されているのに、他の資料があるからと、決裁文書を無視して答弁書をつくることなどありえない。
太田 きちんと答弁できなかった当時の(佐川氏の)答弁をおわびする。
小池氏は「おわびで済む話ではない」と批判。答弁と決裁文書の関係は、改ざんの動機や経緯に関わるとして、答弁書の提出を求めました。
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「知らない」無理がある
小池氏は、決裁文書の内容を説明されたことはないと述べた(26日、同委)菅義偉官房長官も追及。菅長官は昨年2月の記者会見で、「決裁文書は30年間保存しており、ほとんどの部分は書かれている」として、面会等の記録の破棄は問題ないとの見方を示しています。
小池 会見当時、森友疑惑はすでに安倍首相の進退に関わる重大問題になっており、記録の破棄も疑惑の隠ぺいだと大問題になっていた。決裁文書の内容を確認もせずに会見したのか。
菅 財務省の一般文書の管理規則について述べた。
小池 記者はルールを聞いたのではない。長官が決裁文書に触れれば、理財局は改ざん前の決裁文書をすぐに確認するはずだ。
菅 秘書官がつくったメモを確認して発言している。決裁文書の内容は知らず、ルールを紹介した。
太田 長官はルールを伝えたと承知している。
小池氏は、会見での菅長官の発言が改ざんの契機になった可能性を念頭に、「菅長官の説明は非常に無理がある」と力を込めました。
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反省がない 安倍首相
さらに、「妻が名誉校長を務めているところは、あまたある」と述べた安倍首相(26日、同委)に迫りました。
小池 「あまた」とはどこか。
安倍 名誉校長ではなく「名誉職」に訂正する。
小池 では、名誉校長と名誉園長はどこか。
安倍 意図的ではなく言い間違いだ。校長と園長は(森友の)他にはない。(手元の資料を見直し)すでに辞めているが「御影インターナショナル」と「瑞穂の国記念小学院」だ。
小池氏は、前者は加計学園系列で、後者は森友学園が設立を目指していた小学校だと指摘。両学園と首相夫妻の関係が「行政に影響を及ぼしたことはない」と強弁している安倍首相を「反省がない」と批判し、「モリカケ」をめぐる国政私物化疑惑の「真相解明には国政調査権の発動が必要だ」と主張しました。
昭恵氏の名前がなぜ決裁文書に書かれ、なぜ削除されたかが重要だと迫った小池氏に対し、安倍首相は「それも含めて解明されることを期待する」と述べました。