2018年3月28日(水)
森友学園問題 佐川氏の証人喚問
日本共産党の小池晃書記局長と宮本岳志衆院議員が27日の参院と衆院の予算委員会で開かれた証人喚問で、佐川宣寿前財務省理財局長に対して行った尋問と佐川氏の答弁(要旨)は次の通りです。
小池晃書記局長による尋問
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小池氏 昨年2~3月の答弁は改ざん前の文書にもとづくものか
佐川氏 答弁は控える
小池 証人におうかがいします。あなたの昨年2月から3月にかけての答弁、これはあなたが「現場における個別案件」と述べた意味での現場ですね。すなわち、近畿財務局と理財局の記録に基づいて答弁が行われたんですね。
佐川 私の答弁の資料は、理財局の原課と近畿財務局の間で、多分、その連絡を行って上がってきたものだと私は理解しておりました。
小池 ということは、それは改ざん前の文書にもとづく答弁ですね。
佐川 文書の書き換えがいつあったのか、私がそれをどう認識しているのかということについては、刑事訴追の恐れがあるということでございますので、答弁はお控えをさせていただきたいと思います。
小池 それはおかしいんですよ。これは改ざんについての質問をしているわけじゃないんですよ。だって、答弁の根拠は、その当時は改ざん前の文書でしょうが。それしかないんでしょう。それをもとに答弁したんじゃないですか。なんでこんなことが認められないんですか。
佐川 いまのご質問ですと、ようするに、決裁文書がいつ書き換えられたのかという問題と結びつく話だと私は思うんです。その点につきましては、刑事訴追の恐れがありますので、答弁を控えさせていただきたいというふうに申し上げております。
小池 私が聞いているのは、昨年2月から3月にかけての質問(への答弁)の根拠はいったいなんだったのかということを聞いているんであって、4月4日に改ざんしたんだということは、財務省は認めているわけですよ、理財局の文書は。だから、2月から3月はまだ改ざんされていないんですよ。太田(充)局長はそういっているんですよ。そして、太田局長は、その当時の決裁文書を前提に答弁書をつくるのが基本だと答弁しているんですね。ということは、あなたの昨年2月から3月にかけての答弁は、まさにこの、その当時の決裁文書を前提に行ったんですねと、私は当たり前のことを聞いているんですよ。なんかそれ以外にあるんですか。
佐川 その書き換えられた決裁文書そのものがいつ、私が認識して書き換えが行われたのかとかに直結する問題でございますので、ご答弁を控えさせていただきたいというふうに申し上げているわけでございます。
小池氏 財務局の森友学園訪問を否定――なぜ決裁文書と正反対のことを言った
佐川氏 答弁は控える
小池氏 これでは証人喚問の意味がない
小池 これはね、罪に問われる、ようするに自分が訴追される恐れがあるから答えないんじゃなくて、都合の悪いことは答えないというだけの話じゃないですか。こんなことをやっていたら、これは逆に偽証罪でね、あるいは本人の身分にかかわらない証言拒否として告発しなくてはいけなくなりますよ、これを拒否するんだったらね。
具体的にちょっと聞きますが、私は昨年3月1日、2日、2日がかりで、この場で証人に質問しました。鴻池(祥肇参院)議員の事務所の資料をもとに、「平成27年1月9日に、財務局が森友学園を訪問したという事実はあるか」と、私は都合6回聞いているんですね。6回聞いて6回とも証人はこれを否定したんですよ、あのときね。しかし、改ざん前の文書には、「H27・1・9 近畿財務局が森友学園を訪問し、国の貸付額を伝える」とはっきり書いてあるんですね。「丁寧さに欠いた」どころか、決裁文書に書いてあることとも正反対のことをこの場で答えたんですよね。なんでそんなことされたんですか。
(佐川氏が補佐人と相談)
佐川 やはり、その件は私自身がその書き換えのその経緯、いつ書き換えたとか、時期にかかわるその話でございますので、そこはお答えを差し控えさせていただきます。
小池 委員長、これでは証人喚問の意味がありません(「そうだ」の声)。これもね、拒否するんだったら、これ以上聞いたって意味ないではないですか(「そうだ」の声)。私は改ざんについて聞いているんではないですよ。実際に国会の答弁をどういう根拠でやったか聞いたんですよ。これでね、進めるわけにいきません。(「そうだ」の声)
金子原二郎委員長 速記を止めてください。
(与野党理事が委員長と協議。佐川氏が補佐人と再度相談)
佐川 書き換える前の決裁文書に書いてある事実をいつ知ったかということそのものは、私自身がその決裁文書にどういうふうに関わったか、いつ認識したのか、経緯はどうかという、まさにそういう問題そのものでございますので、したがいまして、私はいま、告発をされている身でございまして、そういう意味では刑事訴追の恐れがあるということで、答弁を控えさせていただいております。
小池 私は、改ざんが誰の指示で行われたのか、何のために行われたのかというような質問をしているのではありません。私の質問しているのは、なぜ、その当時あった文書は書き換え前の文書しかないわけですから、その決裁文書をもとに答弁したんでしょうと、事実を確認しているんですよ。あなたの改ざんに対する関与を聞いているんではないですよ。私が質問した時点では、改ざん前の文書しかないわけではないですか。それをもとに答弁したんでしょうと。なんでこんな当たり前のことが答えられないんですか。
佐川 私自身は理財局の調査については存じませんし、私自身が、いまの1月の9日についてお答えするということは、それはその決裁前の文書をいつ見たかということにそのまま結びつく話でありますのでということをご答弁させていただいております。
小池氏 では何を根拠に答弁した
佐川氏 各原課の答弁書を元に
小池氏 こんな無責任な話があるか
小池 では、2月から3月にかけて、あなたは何を根拠に答弁したんですか。
佐川 それは、さきほどから申しますように、質問通告があり、各原課で答弁書をつくり、そういうものを基本にご答弁を申し上げておったというのが実態でございます。
小池 その各原課の答弁書は、決裁文書を基本につくられているでしょう。
佐川 大変恐縮でございますが、その答弁が本当にその決裁文書をもってつくったのか、どういう資料をもってつくったのか、それは私が、その各原課がどういうそのファクトを確認しながらつくったのかというのは、私自身はその答弁書を読んでご答弁を申し上げているんでございます。
小池 こんな無責任な話がね、ありますかと。いったい何を根拠につくったのかわかりませんと。そこでも部下に責任を押し付けるっていうね、そういう議論になってしまいますよ。
小池氏 答弁は首相官邸と調整していることにならないか
佐川氏 理財局で書いて大臣なり総理にお渡しする
小池 さらに聞きますが、この間ね、さきほどからも議論がありますけれども、私はあの予算委員会でこの問題を質問したときには、「総理に対する質問」として通告しております。ところが、局長が出てきてね、代わりの答弁をされることがたびたびあったわけですね。結局ね、この間の予算委員会での、ここでの質問についてはね、私は全部、内閣官房にも質問通告しております。当然、あなたの答弁内容は、首相官邸とも調整しているということになるんではないですか。
佐川 さきほども申しましたが、理財局が、書かなくてはいけない答弁というのは、理財局で書いて、それを大臣なり総理にお渡しするということでございますので、その調整とかということではなくて、そういう、こういう個別の案件については、理財局が総理用に少し、こう簡単にしたものをお届けするというのが実態だったと思います。
小池 実務的な中身ではないんですよ。きわめて政治的な中身の質問なんですよ。これを官邸と調整しないで答弁書をつくるなんていうのは、ありえない話ではないですか、どう考えたって。総理と食い違ったらどうするんですか。それを全部、理財局でやっちゃうわけですか。そんな無責任な話が、説明が成り立つわけがないではないですか。
佐川 何月何日に現場でその職員と、業者とか、相手方と会ったとか、会わないとか、極めて実務的なお話でございまして、そういうものを総理官邸と調整するということは、通常は考えられないわけでございます。
小池氏 安倍昭恵氏の名前が決裁文書に――特別なことと感じなかったか
佐川氏 答弁は控える
小池 実務的な問題以外にもたくさん質問しているんです。とくに昭恵夫人との関わりですね。
そして、さきほど証人は、「答弁に当たって経過は勉強した」と、「一連の書類を読み込んだ」と、絶えず携行していたと。ということは、よく把握していたはずなんですよ、決裁文書の中身を。そうでしょう。さきほどそうおっしゃったんだから、一生懸命勉強したと。そういうなかで、安倍昭恵さんの名前が、当時の決裁文書に出てきていたわけですね。いつ知ったかは言えないというんだったらいいですよ。決裁文書を見たときに、安倍昭恵さんの名前が出ていると。これは特別なことだという感じを持ちませんでしたか。
佐川 そういう決裁前の文書、書き換え前の文書とか、書き換えた後の文書を、どの時点で見たかということになりますので、その点はさきほどのご質問とごいっしょだというふうに理解をしてございます。
小池 私はいつ見たかと聞いたんではなくて、安倍昭恵さんの名前が何度も出てくると。それをいつかの時点ではごらんになったわけでしょう。いつ見たかはいえないというんですけれど、見たわけでしょう、どこかで。そのときに、証人はどういう印象を、これをどう受けとめたんですか。安倍昭恵さんの名前が何度も出てくるということについて。お答えください。
佐川 大変恐縮でございますが、まさに書き換えが行われた決裁文書にかかわる問題でございますので、答弁を控えさせていただきたいというふうに思います。
小池 あのね、これでは証人喚問の意味はまったくありません。あのね、訴追の恐れがあるということ以外のことだって、全部答えないんですよ。これ以上聞いたって意味ないですよ、これは。私は、この証人喚問で終わりにするわけには絶対にいかないと思います(「そうだ」の声)。佐川さんだけではなくて、安倍昭恵さん等を含めて、野党が要求している証人喚問をすべてやると、そのこと以外に解決の道はないということを申し上げ、尋問を終わります。
宮本岳志衆院議員による尋問
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宮本氏 面会等の記録は破棄したという私への答弁は虚偽だったか
佐川氏 丁寧さを欠いていた
宮本 日本共産党の宮本岳志です。この森友問題、昨年2月15日の私の当院財務金融委員会の質問から始まりました。そこで聞くんですが、あなたは昨年2月24日の衆院予算委員会で面会等の記録は平成28年(2016年)6月20日の売買契約締結をもって破棄していると、こういう答弁を私に初めてしました。この答弁は虚偽答弁でしたか。
佐川 委員おっしゃる通り、2月半ばから委員のご質問で始まったことでございまして、いまのお話の6月20日をもって廃棄をしたという私の答弁は、財務省の文書管理記録(規則)の取り扱いをもって答弁したということでございまして、そういう意味で本当に丁寧さを欠いたということでございます。申し訳ありませんでした。
宮本氏 確認したが「なかった」という答弁と「個別に確認をして答弁しなかった」という午前の証言のどちらかがうそだ
佐川氏 理財局に文書の取り扱いを「確認」した(議場騒然)
宮本氏 まったく納得できない
宮本 そういう問題ではないんですね。あなたは、午前中の証言で個別の事案についてもきちんと確認をして答弁をしなかったという点で丁寧さを欠いたと、こういう答弁をしているんですね。しかし、2月24日の私に対するあなたの答弁は「昨年6月の売買契約に至るまでの財務局と学園側の交渉記録につきまして、委員からのご依頼を受けまして、確認しましたところ、近畿財務局と森友学園の交渉記録というのはございませんでした」と。このとき確認をして「なかった」と答弁しているので、一般的な規定を答弁しているんじゃないんです。これはどちらかがうそですね。
佐川 大変申し訳ありません。その「確認をした」という意味ですけども、理財局に文書の取り扱いを確認したということでそういう答弁をしてしまいました。申し訳ありませんでした。
(議場騒然)
宮本 そんなの通りませんよ。委員長、だめですよ、そんなの。答弁になってない。そんなの通らない。答弁なってないじゃないか。
(委員長「再答弁してください。佐川証人」)
佐川 本当に申し訳ありませんでした。文書の取扱規則の話をしてございました。すいません。
宮本 じゃあ、この答弁については、虚偽答弁を認めますか。
佐川 それはその、虚偽というふうに(宮本「虚偽じゃないか」)、私自身は、その虚偽という認識はそのときはございませんでした。
宮本 「確認をして」というのはですね、規定をただただ確認しただけだって、通りませんよ、それは。そして今日やっている証言は、確認をしてなかったから丁寧さに欠けたって言ってるんですよ。これは午前中の答弁がまさに証言が偽証であるか、昨年の答弁がまさに虚偽答弁であるか二つに一つですよ。じゃあ、午前中の答弁撤回してください。
佐川 ですから、あの、おわび申し上げますが、昨年の委員に対する答弁がそういう趣旨の答弁だったということでございます。
宮本 まったく納得できません。これは本当に重大なことだし、午前中の証言のまさに信ぴょう性にも関わる問題だと思います。さきほどからあなたは、決裁文書について問われたら、すべて答えないという態度をとっておられます。しかし、書き換えの事実があったとあなたが認めているのは、まさに決裁文書に書き換え前のものと書き換え後のものと二つあると、これは確認されたということですね。
佐川 事実を改ざん、その決裁文書の書き換えがあったかどうかの事実関係というのは、それは財務省の理財局が国会にきちんと提出をして、明らかにこれは事実関係として間違いなく書き換えがあったということでございますので、それは書き換えがあったと言うのは認識してございます。
宮本 つまり、二つの文書については確認をしたんですね。
佐川 あの、財務省が12日に提出した調査結果は見ました。
宮本 だったら、その中身について答えればいいんですよ。なんの問題もないじゃないですか。時間がきましたが、これ全然不十分なんですよ。さきほど来、あなたは、最終的には不動産鑑定やったから正当なんだということを繰り返しているんですね。しかし、昨年11月に提出されたこの会計検査院の報告書では、その不動産鑑定価格から8億2000万円を差し引いた、それは鑑定士にとって、他の専門家の調査結果としては使えなかったと、まともなもんじゃなかったと出てるんですよ。それをもって正当だったということはまったく通らない。引き続き、この問題の解明は絶対必要だということを申し上げて私の質問を終わります。